上写真=重要な一戦でハットトリックを達成し、鹿島を勝利に導いたレオ・セアラ(写真◎J.LEAGUE)
■2025年3月8日 J1第5節(観衆13,309人/@三協F柏)
柏 1−3 鹿島
得点:(柏)久保藤次郎
(鹿)レオ・セアラ3
2トップがチームをけん引
ボールの動かし方もハイプレスのかけ方も、序盤はホームの柏が持ち味を出していた。だが、先制点を記録したのは敵地に乗り込んだ鹿島だった。
26分、鈴木が巧みなポストワークから松村へスルーパスを通し、左サイド深く進入。クロスは一度クリアされたものの、松村が拾って大外を回る安西へ展開。安西が狙いすましてあげたクロスをレオ・セオラが頭でとらえ、ネットを揺らした。
先制してからは鹿島も攻めの機会を増やし、前向きのボール奪取から柏ゴールに迫っていった。鈴木がレオ・セアラとの距離を考えながらビルドアップに関わり、チャンスを生み出していく。そしてレオ・セアラと時に役割を入れ替えながら前線で相手の脅威になり続けた。
この2トップが預けどころとしてしっかり機能することで、鹿島の選手たちはボール奪取後に迷うことがない。その強みを存分に生かす戦い方が、試合のたびに整理されてきた印象もある。
前半をそのまま1−0で折り返すと、後半開始早々の50分だった。雨でスリッピーなピッチ状態を考慮したためか、ロングボールを織り交ぜながら敵陣に進入する機会を増やしていた鹿島だが、この場面もそうだった。
相手のパスをカットした安西がダイレクトで前線へボールを送ると、CB古賀のクリアを松村が引かっけて奪い、そのまま左サイドを疾走。クロスに飛び込んだレオ・セオラがこの日、2点目、今季通算4点目となるゴールを記録し、鹿島が2−0とした。
球際の激しさや攻めにかかったときの鋭さをピッチで表現した鹿島はその後、57分に久保に1点を返されたものの、62分にショートカウンターからレオ・セアラが決めてハットトリックを達成。3−1と再び柏を突き放した。
柏もボールを動かして攻め筋を探っていくが、ミドルエリアで4−4−2のブロックを築く鹿島の守備を崩すことはできず。その後、選手交代によって5バックに変更した鹿島はさらに守備が堅さを増し、試合はそのまま鹿島の3−1で決着。
試合前の時点で4位だった鹿島は柏を下し、暫定ながら首位に浮上。一方の柏は1位から4位に順位を下げることになった。
▼出場メンバー
・柏◎GK小島亨介、DF原田亘、古賀太陽、田中隼人、MF久保藤次郎(83分:中島舜)、熊坂光希、小屋松知哉(58分:ジエゴ)、小泉佳穂、原川力、FW垣田裕暉(58分:渡井理己)、木下康介(46分:細谷真大)
・鹿島◎GK早川友基、DF濃野公人(84分:舩橋佑)、植田直通、関川郁万、安西幸輝、MF小池龍太、樋口雄太、柴崎岳(61分:知念慶)、松村優太(73分: 師岡柊生)、FWレオ・セアラ(73分:田川亨介)、鈴木優磨(84分:キム・テヒョン)