上写真=高宇洋は松橋力蔵監督と新潟時代にも共闘してきただけに、その理解度も高い(写真◎サッカーマガジン)
松橋監督に言われてうれしかった言葉
――まずは、開幕戦の勝利、おめでとうございます。
高宇洋 ありがとうございます。どうしても堅くなるゲームだったので、勝てたことがすべてでしたね。勝ったからこそできるトライがありますから。
――新たに松橋力蔵監督が就任して、そこに至るまでにどんなチーム作りをしてきたのか、新潟時代もともに仕事をしてきた高宇洋選手にうかがいたいと思います。まずは、松橋監督との関係性は深いですよね。
高 懐かしいなという感じと、また一緒にできるうれしさもあります。僕が東京に移籍するときに「またどこかでやりましょう」と話したんですけど、まさかこんな早く再会できるとは。
ミーティングでの話や練習メニューも、僕たちがうまくなることができて人としても成長できると思える部分がたくさんあって、本当に信頼できる方です。また一緒に何かを勝ち取りたいという思いはすごく強いです。
――松橋監督からまず求められたことはどんなことでしょう。
高 攻守に幅広くやってくれということでしたけど、まず「本当に成長したね」って言ってもらえました。外から映像で見るときよりも実際に中に入って見てみると、すごく成長したことを感じたよ、って。いやあ、ものすごくうれしかったです。「まだまだだけどね」とも言われましたけどね(笑)。
――松橋監督のサッカーを経験してきた立場としては、それを周囲に発信していくことでチーム作りを加速させる役割も担うことができますね。
高 もともと思っていることを伝えるタイプですし、それは変わりません。自分が良くなるため、チームが勝つために声を出してすり合わせるのは常にしておきたい性格なので、思ったことを常に言っていくだけかな。
――実際のチーム作りはどんな流れで進んできましたか。
高 まずはフィジカルを上げるところからですよね。これまでに比べてもきついメニューが連続していました。リキさん(松橋監督)はフィジカルを高めるところにも質を求めるので。そこに、技術的な部分と戦術的なエッセンスを織り交ぜながら進んできました。
――新潟の頃と比べて、監督の新たな視点や方法論などはどんなところに感じていますか。
高 まず分かりやすく言うと、3バックにしたところははっきり目に見える変化ですよね。新潟のときも一度もやらなかったシステムですし、リキさん自身も「チャレンジだ」と。東京のメンバーを見たときに最初に3バックの構想が浮かんできたと言っていましたし、僕にとってもチャレンジ中。オリンピック代表候補に入っていたころ、森保一監督のとき以来ですからね。
――2019年のU-22代表のころまでさかのぼるんですね。であれば、だいぶ新鮮ですね。
高 でも、あんまりやることは変わらないんです。結局リキさんはゴールを奪うため、ゴールを守るため、というところに直結して逆算して考えている人なので。いまはその変わらない部分と、一方でちょっとここはもどかしさがあるかな、と試行錯誤する部分がミックスされている状態ですね。