上写真=稲村隼翔が「プロ」としての最初のゲームで自信を深めた(写真◎J.LEAGUE)
■2025年2月15日 J1第1節(観衆32,713人/@日産ス)
横浜FM 1-1 新潟
得点:(横)アンデルソン・ロペス
(新)太田修介
「新潟のために100パーセント」
「3つ、ですね」
2月15日の横浜F・マリノスとの開幕戦は、稲村隼翔にとっては「プロデビュー」の晴れ舞台だった。いや、昨年も大活躍してルヴァンカップ準優勝などに大きく貢献しているのだが、そのときの立場は東洋大4年在学中の「JFA・Jリーグ特別指定選手」。
昨年は大学の試合との掛け持ちだったから、プロとして臨む最初のシーズンの所感は「100パーセント」だった。
「去年は大学と2チームで活動してましたけど、今年は新潟のために100パーセントの力を使える」
背番号も45から3になったが、「心境の変化はない。もっと上を目指さないと」なのだそう。昨年の時点ですでにプロであることの自負を携えていたからだ。
横浜FM戦では前半の相手のシュートをゼロに封じ込めた。2年連続得点王のアンデルソン・ロペスと渡り合い、77分にPKによるゴールは許したが、それ以外はほぼ無力化に成功。「絶対にやらせたくなかった。賢く守れたと思います」と胸を張った。ボールを持ち運んでボランチのようにパスをさばいたり、自慢の左足でサイドチェンジのパスを繰り出すなど、攻撃のスタート役にもなって、存在感は昨年以上である。
そんな稲村が悔やんだのが、冒頭の言葉の意味。26分に太田修介が先制したほかにゴールは生まれなかったが、この左利きのセンターバックが決めるべきだったと自身に猛省を促したシーンの数が「3つ」なのだ。
14分に橋本健人の左CKを谷口海斗がニアでヘッド、中央に流れてきたボールをヘッドで押し込もうとしたが、右に外れてしまう。29分にはプレスをはめてGK朴一圭にラフに蹴らせ、自ら回収してそのままミドルシュートを狙ったが、ブロックに遭う。90+3分には右サイドのFKからゴール前で足元に収めるものの、打ちきれなかった。
「決めないとダメ。そこは反省です。今日はタカイ選手も決めてたみたいなんでね、そういうところは意識していかないと」
タカイ、とは、川崎フロンターレの高井幸大のこと。日本代表にも名を連ねる20歳のセンターバックだ。同時刻に行われた名古屋グランパス戦でヘッドで先制ゴールを決めている。試合直後にその情報を仕入れるほど、感度は高い。
「高井選手があれだけやっているということは自分の中に置いておきながら、自分の特徴では絶対負けないようにしたいんですよ」
2歳年下の逸材を、ライバル視しているというのとは少し違って、刺激の材料にしている。稲村は目下の目標の一つに「代表を目指す」をはっきりと掲げている。青のユニフォームを着て高井と立ち並ぶ未来を目指す、その第一歩を確かに刻んだ。