上写真=前半40分にゴールを決めた北川航也。清水にとって3年ぶりのJ1復帰戦で決勝点をマークした(写真◎J.LEAGUE)
■2025年2月16日 J1リーグ第1節(観衆52,541人/@国立競技場)
東京V 0−1 清水
得点:(清)北川航也
強度勝負で渡り合った清水
2023年12月、両チームはところも同じ国立競技場でJ1昇格プレーオフ決勝を戦った。引き分けで昇格を決めた東京Vは翌シーズンからJ1を戦ってJ1復帰1年目ながら6位という好成績を残し、昇格を逃した清水は再びJ2を戦って1年遅れでJ1で戦う権利を得た。
そんな因縁浅からぬ対決は序盤から引き締まった展開となる。果敢なプレスで高い位置からボールを奪いに行くと、一瞬で攻守が入れ替わる。激しく熱くスピーディーな試合はあっという間に30分を経過。前半はそのままスコアレスで終わるかと思われた40分、大きな展開から清水がネットを揺らしてみせた。
左サイドで乾、山原とつないだボールを左センターバックの蓮川が引き取り、右サイド深い位置にロングボールを供給。右のサイドライン際から走り出していた右サイドバック・高木が最終ラインの裏で受けるとクロスを上げ、最後はゴール前に走り込んだ北川がフリーでヘディングを決めた。
東京Vのコンパクトな守りを逆手に取った連係プレーと言えるだろう。一気のサイドチェンジとライン裏への走り込みで勝負あり。清水が欲しかった先制点をつかみ取った。
後半に入り、1点を負う東京Vは56分に3枚替えを実施。陣形も3−5−2に変更して攻撃の活性化を図ったが、清水の攻撃を受ける場面が多く、自陣からボールを運んで前進する機会は限られた。
70分を過ぎて前向きのプレスからそのまま敵陣に入り、連続で攻撃する時間を作り出すが、それでもなかなかフィニッシュまでは持ち込めず。プレーオフ決勝では追いつかれてしまった清水だが、この試合ではそのまま1−0で逃げ切り、J1復帰初戦で勝利を手にした。
東京Vは昨年同様に強度と切り替えの早さをピッチで示したものの、清水も強度と切り替えの早さで五分以上に渡り合い、昨季、J1で威力を発揮した東京Vのアドバンテージをこの試合では見事に消してみせた。そのうえで戦力勝負に持ち込み、勝ち点3をつかみ取った。
雪辱を果たした清水の秋葉忠宏監督は「いろんなストーリーがある中で一部の隙もなく、選手のタフさ、精神力、スタッフの努力も含めて示すことが出来た。非常に価値のある、意味のある勝利だった。守備はパーフェクトだったと思います」と試合後にコメント。清水は大きな勝利でJ1復帰シーズンをスタートさせた。
▼出場メンバー
・東京V◎GKマテウス、DF綱島悠斗(76分:翁長聖)、千田海人、谷口栄斗、MF宮原和也、齋藤功佑、森田晃樹、松橋優安(56分:新井悠太)、山見大登(56分:平川怜)、福田湧矢(56分:染野唯月)、FW木村勇大(79分:白井亮丞)
・清水◎GK沖悠哉、DF高木践、住吉ジェラニレショーン、蓮川壮大、山原怜音(85分:高橋祐治)、MF宇野禅斗(90+3分:宮本航汰)、マテウス・ブエノ、中原輝(90+3分:嶋本悠大)、カピシャーバ、乾貴士、FW北川航也(67分:アフメド・アフメドフ)