上写真=三浦颯太がプロ初ゴールを喜ぶ。爽快な一発だった(写真◎J.LEAGUE)
■2024年10月5日 J1第33節(@Gスタ/観衆12,753人)
町田 1-4 川崎F
得点:(町)中島裕希
(川)三浦颯太、山田新、エリソン、マルシーニョ
「それが自分の良さなんで」
「初得点はすごくうれしいし、その1点が大きな同点ゴールになったことはなおさらうれしいです」
三浦颯太がついにプロ初ゴールだ。しかも、自らの持ち味−−思い切りの良いスプリントと豪快な左足−−を存分に発揮した理想的な一撃!
13分に先制されたあとの28分だ。左ワイドでマルシーニョが持つと、その内側を猛然と真っ直ぐ前に走った。そこに優しいパスが出てくる。ゴールエリアの左角付近から自慢の左足を鋭く振ってシュート、日本代表GK谷晃生の肩口をずばっと射抜く爽快なゴールだった。
「僕が走ったときにセンターバックのカバーが来なかったので、思い切って振ってよかった。コースを狙ってるというよりは、もう本当に思い切ってって感じでしたね」
シュートへの力の込め方も気持ちがいいが、それよりも、直前のダッシュのなんと見事なこと。自陣中ほどからだから、およそ70メートルはあろうかという超ロングスプリントだ。まるで100メートル走の選手のように走破した。
「それが自分の良さなんで、続けたいです」
勝利を決定づける4点目もその左足から生み出している。71分、左で山本悠樹が持ったときにまたも内側を走り抜け、パスを受けるとていねいにマイナスへ。マルシーニョがきっちりプッシュした。
「あれも自分が点を取ったときと似たような感じでしたけど、悠樹くんがスタートを切ったときにインターセプトできる確信があったので、取ったあとのことを考えて、相手ももう崩れていたので、いいランニングができました。悠樹くんもいいところに流してくれたし」
この日の川崎Fの攻撃の中心は左サイドにあった。その山本がパスを配りながら、左サイドバックの三浦と左サイドハーフのマルシーニョの関係で崩していく。お互いが外と中を使い分け、どちらもスピード自慢だから敵陣の奥深くまで入っていける。
「練習からあの形は何度もやってますし、左のラインはマルシーニョと2人だけで崩せるっていう自信があるんで」
1月1日に日本代表にデビューして始まった1年は、移籍した川崎Fでの挑戦の日々だった。負傷で戦列を離れた時期も長かったが、ついにその能力を存分にピッチに描く日が来ている。次は中3日で迎えるルヴァンカップ準決勝第1戦のアルビレックス新潟戦だ。
「しっかり地に足をつけて準備したい」
ようやく決めたプロ初ゴールにも、鮮やかなアシストにも、大勝にも浮かれることはない。