9月28日の明治安田J1リーグで、横浜F・マリノスがFC東京を迎えた。開始早々に横浜FMが中央突破から先制したものの、FC東京が岡哲平、俵積田晃太、仲川輝人のゴールで逆転に成功、3連勝を手にした。横浜FMはまたも複数失点で3連敗と苦しんでいる。

上写真=FC東京が鋭いカウンターを見せて逆転勝利!(写真◎J.LEAGUE)

■2024年9月28日 J1第32節(@日産ス/観衆28,601人)
横浜FM 1-3 FC東京
得点:(横)アンデルソン・ロペス
   (F)岡 哲平、俵積田晃太、仲川輝人

画像: ■2024年9月28日 J1第32節(@日産ス/観衆28,601人) 横浜FM 1-3 FC東京 得点:(横)アンデルソン・ロペス (F)岡 哲平、俵積田晃太、仲川輝人

横浜FMは連係が乱れて…

 横浜F・マリノスのジョン・ハッチンソン監督もFC東京のピーター・クラモフスキー監督も、どちらも横浜FMで指揮を執ったアンジェ・ポステコグルーの下でヘッドコーチを務めていた。攻撃サッカーへの下地は共通している。横浜FMの水沼宏太、FC東京の仲川輝人、遠藤渓太はそれぞれ相手チームに所属した経歴がある。いわば、兄弟対決。

 今年の最初の対決では1-1で引き分けているが、ホームチームにとっては守備の改善が大前提だ。直近の天皇杯準々決勝はレノファ山口に5-1で勝利を収めたものの、その前はAFCチャンピオンズリーグエリートの光州戦で3-7、J1第31節のサンフレッチェ広島戦で2-6と大量失点が続いているのだ。

 その不安を断ち切ろうと、幸先のいいスタートを見せたのは横浜FM。アンデルソン・ロペスとヤン・マテウスのコンビネーションで中央をぶち破り、最後はアンデルソン・ロペスが右足で決めて、5分に先制した。

 FC東京は反撃して、荒木遼太郎の個人技、長友佑都のクロス、高宇洋のミドルシュート、俵積田晃太のドリブル、ディエゴ・オリヴェイラの強さ、仲川輝人の速さと、個性を出し惜しみせずに優位に転じた。すると19分に同点に追いついた。

 右サイドで東慶悟がスルーパス、抜け出した長友がマイナスに折り返し、ニアで荒木が狙う。逆に流れたボールを俵積田が打ってブロックされるが、こぼれ球に詰めていた左サイドバックの岡哲平がダイレクトで蹴り込んだ。右を割って最後は逆サイドからのフィニッシュと、幅を使った攻撃が功を奏した。

 中央突破、サイドを揺さぶる攻撃とそれぞれのパターンでゴールが生まれたが、ここからはお互いに我慢の時間。交互に攻めて守るような展開が続くが、決定機はなかなか訪れない。後半に入って横浜FMに永戸勝也、ヤン・マテウス、松原健がとフリーで狙うシーンもあったが、いずれもわずかに枠をとらえられなかった。

 次にスコアが動いたのは60分だった。目の覚めるようなカウンターから仕留めたのは、FC東京だ。

 自陣で荒木がプレスバックしてエウベルから奪うと、東、高宇洋、ディエゴ・オリヴェイラ、荒木と4連続のワンタッチパスで左裏へ送り込んだ。そこへ俵積田が飛び出して、松原、畠中槙之輔の追走を振り切って落ち着いて左足でGKポープ・ウィリアムの股下を抜いてみせた。

 横浜FMはブラジル人3トップが強力だが、そこから先の連係に乱れが続いて、効果的な攻撃を繰り出せない。

 するともう一度、FC東京にゴールが生まれた。中村帆高がインターセプトから持ち上がり、右の野澤零温へ。ていねいに中央に流し込んだボールに、仲川が古巣のゴールへと左足でプッシュして、勝利をがっちりつかんだ。

 見事な逆転で横浜FMには2020年7月以来の勝利となり、今季2度目の3連勝。FC東京が復調してきた。横浜FMは逆に3連敗と低空飛行のままだ。


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