上写真=山田新(左)とエリソンが2ゴールずつ! ゴールラッシュでスタジアムを沸かせた(写真◎J.LEAGUE)
■2024年9月27日 J1第32節(@U等々力/観衆20,142人)
川崎F 5-1 新潟
得点:(川)エリソン2、脇坂泰斗、山田新2
(新)太田修介
4-4-2システムが奏功
しっかりとボールを大切にするという意味では「似た者同士」の川崎フロンターレとアルビレックス新潟。「やりたいこと」が前半からかみ合ったのは、ホームチームの方だった。
中盤で新潟の舞行龍ジェームズが縦に差し込んだパスを、河原創が見事にかっさらって左へ。受けたマルシーニョが俊足を生かしてゴールへと突き進み、飛び出したGK小島亨介と接触してPKを獲得した。これをエリソンが決めて先制したのが、14分のことだ。
テンポ良く4分後に突き放したのも大きかった。中央で脇坂泰斗が縦に入れ、エリソンが落としてマルシーニョが密集の隙間を狙ってラストパス、これが舞行龍に当たってこぼれたところを、脇坂がそのままゴール左へと流し込んだ。
相手のパスワークを寸断してから一気のカウンター、さらにはコンビネーションで見事に割った中央突破。どちらのチームも狙いとしている「崩しのいろは」を、対戦相手に見せつけるような2つのゴールだった。
川崎Fはこの戦いに、4-4-2システムで臨んでいる。中盤は中央を河原と山本悠樹で担い、右に脇坂、左にマルシーニョ。エリソンと山田新の2トップが新潟自慢のパスを制限しながらミスを誘った。それがものの見事に機能した。
2点のビハインドを負った新潟は攻めに出るが、川崎Fの激しいディフェンスのリズムに乗せられた格好で、いつものような安定したボール運びがままならない。30分の高木善朗のミドルシュートや50分の左からの橋本健人のセンタリングに合わせた小野裕二のフィニッシュ、その2分後に右からの長倉幹樹の折り返しを小野が流して谷口海斗がファーで合わせた絶好機など、チャンスはあった。でも決められなかった。これが仇となった。
ここから試合は一気に決まる。63分にまたもカウンターから山本が右に送ってエリソンが左足のパワーショットをねじ込めば、直後の65分にはエリソンが右サイドの高い位置でトーマス・デンから強奪して裏に送り、そのまま山田新が右上隅に叩き込み、仕上げには73分にCKの流れから最後は山田がまたも押し込んで、5-0とした。
新潟は86分に一矢報いた。島田譲の裏への縦パスで左を抜け出した星雄次が折り返し、詰めていた太田修介がプッシュ。ようやく1点を返したが、90分のほとんどで攻守ともに封じ込まれたままだった。
10月にはルヴァンカップ準決勝で戦う両チーム。この日の内容と結果がどんな影響を与えるだろうか。