上写真=森島司は自らがつかんだ絶好機を物にできず悔やんだ(写真◎J.LEAGUE)
■2024年6月2日 J1リーグ第17節(@U等々力/観衆19,463人)
川崎F 2-1 名古屋
得点:(川)家長昭博2
(名)ハ・チャンレ
「耐えきれなかったし、決めきれなかった」
森島司は川崎フロンターレに「要注意人物」として警戒されていた。川崎Fのキャプテン、脇坂泰斗が明かす。
「結局は、司のところがキーになるので、(名古屋の)配置のことよりは、とにかく司のところにいいボールを入らせないようにということは、チームとして共有していました」
こちらはこちらで、駆け引きを怠らなかった。
「自分たちが攻撃の迫力を出して、優先順位を間違えずに、裏を狙って、間に顔を出してということは多くできていました」
この日の名古屋は4バック気味に選手を配置し、森島は2トップの一角と言えるほどFWの近くでスペースを見つけてボールを引き出し、受けてさばき、またもぐり込むという作業を繰り返した。
「いまはそういう練習をしていますし、みんなも見てくれるので、あとは自分が周りを見てプレーするだけだと。裏に抜ける選手がすごく多いので、そこは見逃さないようにしたい」
この日先発したキャスパー・ユンカーをはじめ、右サイドでプレーした中山克広、後半途中から入った永井謙佑もそうだし、山岸祐介も一瞬で裏を取る技術が高い。
それが個人としての好感触なら、チームとしての統一感もあった。
「メンバー発表のとき、ボランチの選手がサイドバックをやってたので、狙いどころだと。それに、ラインアップはしてくるんですけど、ボールにアタックに来ているわけではなかったので、そこを狙うことができたのは良かったと思います」
川崎Fの左サイドバックに入ったのは橘田健人で、機動力はあるものの本職ではないため、その裏側にボールを落として俊足の中山克広を走らせた。後半には田邉秀斗が入ったが、こちらも本職ではない。この日唯一のゴールはCKから生まれたが、そのCKを獲得したのは、森島が中央から右の中山に預け、ドリブルで前進したところを相手にクリアされたからだった。
しかし、もう1点が決まらなかった。
「(GKチョン・ソンリョンの)好セーブもありましたし、自分もチャンスを外しちゃったので、そこは決めたかったなと」
それは64分のシーンだ。右のスペースに出た山岸祐也の折り返しを、まず内田宅哉が至近距離から狙い、はじかれたボールを森島が回収、左横にずらしてから左足で狙った。しかしこれも、GKチョン・ソンリョンに防がれた。
「守備と攻撃のやり方、どこに立ってくるかという分析のおかげで優位に進めたと思いますけど、そんな中で耐えきれなかったし、決めきれなかったのは残念だった」
それでも「内容は悪くない」と顔を上げることのできるゲームだったのも事実。全17試合に出場して攻撃を牽引する背番号14が、このチームをどう進化させていくだろうか。