明治安田J1リーグ第10節が27日行われ、札幌ドームでは北海道コンサドーレ札幌と湘南ベルマーレが対戦。前節終了時点で最下位ながら公式戦4戦負なしの札幌と18位で8戦未勝利の湘南の対戦は、前半の2点、後半に1点をスコアした札幌が3点差をつけたが、湘南が終盤に怒とうの反撃をみせて追いつき、ドローに終わった。

上写真=一時、札幌が3点リードするも湘南が土壇場で追いつき、ドローに終わった(写真◎J.LEAGUE)

■2024年4月27日 J1第10節(観衆16,260人/@札幌ド)
札幌 3−3 湘南
得点:(札)青木亮太2、近藤友喜
   (湘)畑大雅、福田翔生、鈴木雄斗

前半の札幌は最高の出来

 18位、湘南。20位、札幌。勝ち点は、どちらも6。9節終了時点とはいえ、順位表の下位に低迷するチーム同士の対戦であり、この『直接対決』で得る勝ち点の重みはともに痛いほどわかっていたことだろう。

 シーズン序盤に訪れた、勝ち点3以上の価値を持ついわゆる『6ポイントマッチ』だからだ。

 ホームの札幌は、ルヴァンカップ2回戦の沼津戦も含めて公式戦4戦負けなし。開幕から5戦未勝利という苦しい時期を過ごしたが、宮澤や近藤の復帰を機に持ち直しつつあった。

 対する湘南は週中のルヴァンカップ2回戦・秋田戦にも敗れ、公式戦8戦未勝利。僅差で勝ち点を落とすゲームが続き、勝利は2節の京都戦まで遡らなくてはならない。札幌とは対照的に浮上のきっかけをつかめないまま、この試合を迎えていた。

 先手を取ったのは、札幌だ。左サイドをスパチョークが青木とのワンツーで突破すると、クロスを供給。一度はクリアされるが、こぼれ球をボックス内まで移動していた青木が拾ってシュートに持ち込み、ゴール左を射抜いた。

 試合開始直後からハイプレスを効かせて押し気味に試合を進めていた札幌にとっては、理想的な展開と言えた。攻めあぐねてゴールを取り切れないと難しい状況にもなり得たが、4試合連続で先制点を奪うことに成功。スパチョークからクロスが送られた瞬間、ボックス内には5人の選手が詰めていた。札幌の高い攻めの意識が実を結んだ先制点だった。

 追加点も、札幌が奪う。42分、右CKの場面で浅野が蹴ったボールを近藤がヘッド。前に出た相手GK馬渡がボールに触れず、無人となったゴールへシュートを突き刺した。

 近藤の今季初得点で2点のリードを得た札幌は、その後も優位に試合を進めていく。素早い切り替えから何度も湘南ゴールに迫った。守備でも強度を保ちつつ、岡村大八の欠場で3バックの中央に入った宮澤がルキアンを見張り、前線から下がってビルドアップに関わる阿部は荒野、駒井のドイスボランチが対応。前半は湘南の強みをうまく消していた。

 迎えた後半、札幌は宮澤が負傷により家泉と交代する。攻守のバランスの中心が不在となったことは後半の一つのポイントになる。当初は問題なくプレーできていた。54分には、相手を釣り出してパスワークで守備網を破っていく札幌らしい形で追加点も記録する。ゴールに至るまで実に21本のパスがつながった。

 後方でパス交換しながら攻め筋を探り、右サイドから中央へ進出した馬場が近藤、鈴木とつながったボールを受けて前進。中央へパスを通すと、受けたスパチョークがダイレクトで左サイドの青木にはたく。青木はカットインしてペナルティーアーク付近に到達するや、迷わず右足を一振り。湘南のGK馬渡の届かないファー側へボールを蹴り込んだ。


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