上写真=5日、ACL決勝第2戦に向けた前日会見が開かれた
第1戦の結果は考えないほうがいい
リラックスした表情で会場場に姿を見せたマチェイ・スコルジャ監督は、落ち着いた口調で強い決意を口にした。
「われわれの狙いは勝つことです。リヤドでの結果は悪くなかったですが、私たちは謙虚に落ち着いて準備してきました」
アウェーでの第1戦は1-1のドロー。今大会までアウェーゴール制が採用されており、第2戦は0-0でも浦和の優勝が決まる。優位な状況でホームでの第2戦を迎えるものの、指揮官に守備を固めて逃げ切るプランはないようだ。
「1戦目の結果は考えないほうがいい。チームワークが重要になってきます。全員で用意している戦術を実行します」
第1戦でACL通算27ゴール目を決めた興梠慎三は積極的にゴールを狙っていくことを誓っていた。アウェーとは同じ戦い方にならないことを示唆した。
「あすは6万人近いファン・サポーターが詰めかけてくれると聞いています。あしたは0で押さえ、点を取って、勝ちたいと思います」
2019年のACL決勝では、同じアルヒラルに第1戦、第2戦ともに完敗。3大会前に満員のファン・サポーターが見守るなかで涙をのんだストライカーは、リベンジに燃えている。
「あのときはサポーターも悔しい思いをしました。あすは6万人の思いを背負って戦います。正直、アルヒラルは個の能力も高くて、強い。でも、恐れることはない。勝つために戦います」
一方、サウジアラビアから乗り込んできたアルヒラルを率いるラモン・ディアス監督は、余裕を感じさせる笑みを浮かべていた。
「第2戦は大勢の観客が集まると聞いているが、そういう状況には慣れています。あすは集中して臨みます。第1戦はミスから失点しましたが、今回はしっかり準備してきました」
堅固な守備陣を支えるサウジアラビア代表のアリ・アルブライヒも気を引き締めていた。
「前回は集中力が欠けてしまった。もう同じ過ちは繰り返さない」
かつてJリーグの横浜マリノスでプレーし、1993年度の得点王にも輝いたアルゼンチン人の指揮官は「日本サッカーは国際経験を積んで進化してきた」と敬意を払いつつも、決勝では勝利することだけを考えているという。
「浦和は規律正しいチームですが、攻撃はそこまで良くない。こちらとしては、まずは1点を取りに行く。それができれば、オープンな展開となり、いかなる可能性も出てくる」
運命の決勝第2戦は5月6日、18時にキックオフされる。
取材◎杉園昌之