上写真=値千金の同点ゴールを決めた興梠慎三(写真◎AFC)
■2023年4月29日 AFCチャンピオンズリーグ(@キング・ファハド国際)
アルヒラル 1-1 浦和
得点:(ア)サレム・アルドサリ
(浦)興梠慎三
埼スタで優勝して喜びを分かち合いたい(興梠)
試合の立ち上がり、浦和はアルヒラルにボールを握られ、自陣に釘付けにされた。4−4−2の守備ブロックを組み上げて対応するものの、相手の圧力の前にパスが乱れ、ボールを奪ってもなかなか前進することができなかった。
13分、警戒していた形で失点してしまう。相手の右サイドハーフ、ミシェエウに左サイドバックの明本が対応したが、一瞬のスピードで縦への突破を許し、クロスを入れられた。浦和の守備者は中央にそろっていたが、ショルツとGK西川がお見合いするような形となり、逆サイドに詰めていたサレム・アルドサリに蹴り込まれた。
アルヒラルが試合開始直後から圧力をかけ、試合の流れをつかみ引に来るのはわかっていたはずだが、個の力で上回られた結果、ゴールを許すことになった。
ただその後は、小泉のバックパスのミスによってピンチを招く場面もあったものの、浦和は徐々に試合のペースに慣れて、ボールを前進させる回数を増やしていった。18分には小泉が浮き玉パスをラインの裏に送り、興梠が反応してゴールに迫る場面を作り出す。28分には興梠が足を滑らせてシュートにはつながらなかったが、伊藤が敵陣でボールを奪って前に出て相手守備陣を後手に回らせた。
前半の終盤から徐々に普段のプレーを出し始めた浦和は後半になると、守備ではアルヒラルのビルドアップに制限をかけ、攻撃ではしっかりボールを動かすようになっていった。球際の争いでも一歩も引かず、ボール奪取が目立つようになる。前半とは異なり、リズムをつかんだ浦和は53分、ついにネットを揺らした。
自陣左サイドからホイブラーテンが送ったロングボールを、関根、小泉、岩尾とつなぎ、右サイドから中に絞っていた大久保が受けて前線へスルーパス。ライン裏を狙って動き出した興梠には合わなかったが、パスは相手CBアルブライヒに当たって、そのまま右ポストを直撃。その跳ね返りに誰よりも早く興梠が反応し、同点ゴールを蹴り込んだ。
追いつかれたアルヒラルがややペースダウンし、攻撃が散発的になる一方で、浦和はその後もペースを維持し、積極的にボールを動かしていった。
86分には岩尾のタイトなマークで倒されたアルドサリが報復行為のファウルで退場となり、浦和はアディショナルタイムを含めた10分余りを数的優位な状況で戦うことになった。一人少ないアルヒラルも猛攻を仕掛けたが、浦和も集中した守備で対抗。試合はそのまま1−1で終了した。
「立ち上がり失点して難しい試合になりましたけど、なんとか0−1でも第2戦のホームで勝負をかけたい気持ちがあったんですけど、チャンスがあれば追いついて第2戦を迎えたいと。ラッキーなゴールでしたけど、アウェーの地から同点で帰れるのはすごく大きいと思います。次はホームで6万人近く入ると思いますので、たくさんのサポーターの後押しと、共に戦って2017年同様、埼スタでみんなで優勝して喜びを分かち合いたいと思います」
同点ゴールをスコアした興梠はフラッシュインタビューでこう話し、第1戦の結果に大きな手応えを持って第2戦に向かうと語った。
2017年、浦和は同じアルヒラル相手にアウェーの第1戦を1−1で引き分け、ホームの第2戦を1−0として優勝を飾っている。2007年にセパハンを下して初優勝した際も、敵地の第1戦を1−1とし、ホームの第2戦を2−0としてアジア王者の座についた。
試合終盤、そして試合後に足をつる姿が見られたように、消耗の激しい一戦だったが、そんな厳しい戦いを乗り越え、浦和は良い形で『再現』の準備を整えた。
第2戦は5月6日。3度目のアジア制覇に臨む。
・浦和出場メンバー:GK西川周作、DF酒井宏樹(80分:荻原拓也)、アレクサンダー・ショルツ、マリウス・ホイブラーテン、明本考浩、MF伊藤敦樹(85分:柴戸海)、岩尾憲、大久保智明(80分:早川隼平)、小泉佳穂(67分:安居海渡)、関根貴大、FW興梠慎三(67分:ホセ・カンテ)
【試合配信情報】
『AFCチャンピオンズリーグ決勝』
・浦和レッズ vs アル・ヒラル(サウジアラビア)
■決勝 第2戦
・日時:5月6日(土)18時キックオフ(17時30分〜配信開始)
・会場:埼玉スタジアム2○○2/埼玉
・解説:佐藤寿人&槙野智章
・実況:野村明弘
・配信:DAZNにて独占ライブ配信