ルヴァンカップ4節・湘南ベルマーレ戦でのプロ初ゴールから4日後。浦和レッズの17歳が、J1デビューを飾った。4月23日、等々力陸上競技場で行われたJ1第9節の川崎フロンターレ戦で1点を追う80分から途中出場し、あらためて存在感を示した。

上写真=80分に関根貴大と交代でピッチに入った早川隼平(写真◎J .LEAGUE)

■2023年4月23日 明治安田生命J1リーグ第9節(@等々力/観衆22,304人)
 川崎F1−1 浦和
 得点:(川)脇坂泰斗
    (浦)ブライアン・リンセン

ファーストプレーで前を向くことができた

 J1初出場とは思えないほど、17歳の早川隼平は堂々としていた。勢いよくピッチに入ると、いきなり大きな仕事をこなす。左サイドでパスを受けると、相手と交錯しながらもボールを失わず、落ち着いて荻原拓也へパスを送る。ブライアン・リンセンのJ1初得点となる値千金の同点ゴールは、このワンプレーがきっかけだった。本人も手応えを得ていた。

「ファーストプレーで前を向くことができたので、試合にうまく入れました」

 公式戦はルヴァンカップの2試合を含めて、まだ3試合目である。4月5日の川崎F戦で後半途中からピッチに入って公式戦初出場を果たすと、19日の湘南戦では初先発のチャンスをつかみ、17歳4カ月14日のクラブ最年少ゴール記録を更新。飛ぶ鳥を落とす勢いでリーグ戦でも気迫あふれるプレーを見せ、チームに貢献した。仲間からの信頼もすっかり得ているようだ。

「ボールが集まってきました」

限られた時間でもチャンスに絡んだ。90分には日本代表経験を持つ川崎Fの車屋紳太郎に球際の争いで負けず、ペナルティーエリア内に侵入。終了間際のアディショナルタイムにはゴール前でボールを受けて、鋭いシュートを放った。

「狭い場所であっても枠内にシュートを飛ばせるように、もっと突き詰めていきたい」

 勝ち越しゴールを奪えずに悔しさをにじませていた。追いついてドローで終わったが、結果には納得していなかった。

「勝たないといけない試合でした。契約している、していないは関係ないです。一人の選手として、勝つことだけを意識してプレーしていました」

 現在はプロ契約を結んでいない浦和ユース所属の高校3年生。Jリーグに出場可能な2種登録選手としてチームに帯同しているが、1試合の重みを理解してピッチに立っている。恐れを知らない17歳は、AFCチャンピオンズリーグ決勝の第1戦(4月29日※現地時間)、第2戦(5月6日)にも思いを馳せていた。

「人生で一度あるかないかです。選手としてやるからには目指したい。出場できるのであれば、頑張ります」

 肝が据わったシンデレラボーイの勢いは、まだまだ止まりそうにもない。

取材◎杉園昌之


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