上写真=新シーズンに向けて強い決意を口にするミシャことペトロヴィッチ監督(写真◎サッカーマガジンWEB)
取材◎杉園昌之
スキッベ監督は素晴らしいチームをつくっている
--いよいよ、Jリーグの開幕です。北海道コンサドーレ札幌は18日(土)に、アウェーで昨季3位のサンフレッチェ広島と戦います。
ペトロヴィッチ監督 昨季からミヒャエル・スキッベ監督は素晴らしいチームをつくっているので難しいゲームになると思いますが、楽しみですよ。面白いゲームを見せたいと思っています。われわれは全力を尽くし、良い結果を出したいです。
--昨季とは違う札幌を見ることはできますか。
ペトロヴィッチ監督 基本的なスタイルは変わりませんが、いまはバージョンアップの準備段階。キャンプで思わぬケガ人、病人が出たため、まだ落とし込んでいる最中です。
--新たに取り組んでいることがあるのですね。
ペトロヴィッチ監督 ええ。今季は選手のポジションを流動的に変えるサッカーを目指しています。『変化』というポイントで話せば、ここからですね。
--流動的にポジションを変える戦術を取り入れる上で何か参考にしたのですか。
ペトロヴィッチ監督 カタール・ワールドカップでベスト4に入ったモロッコ代表のサッカーから大きな刺激を受けました。私が見る限り、誰がどのポジションでプレーしているのか、よく分からなかった。それくらい後ろの選手も前に出て来ていたし、前の選手も後ろをカバーしていました。興味深かかったのは、それでもオーガナイズが崩れないこと。私自身も以前からイメージは持っていたのですが、モロッコの快進撃で舵を切るきっかけになりました。あのサッカーを体現するには、選手たちに高いポリバレント性を求めないといけません。誰もが複数のポジションをこなし、よりフレキシブルに対応する必要があります。
--モロッコ代表の流動的なサッカーに着目した理由は?
ペトロヴィッチ監督 札幌のようにオールコートでマンツーマンディフェンスをしていると、当然、入れ替わられる場面も出てきます。ポジションのバランスが崩れれば、すぐに誰かがその穴をカバーしないといけません。Jリーグでも前からプレスをかけて、ハメにくるチームが増えていますし、札幌同様に1トップ2シャドーのシステムを採用しているチームもあります。他チームの変化を視野に入れても、流動的にポジションを変えて戦っていくことは有効だと思いました。大事なことは、ボールのないところで、相手の脅威となる質の高いフリーラニングができるかどうかです。
--今季、札幌にはモロッコ代表のようなサプライズを期待してもいいですか。
ペトロヴィッチ監督 多くのケガ人が抱えている状況では難しいですが、戦力がしっかり戻ってくれば、驚きを与えるような柔軟性のあるサッカーを披露できるかもしれないですね。