動けば、出てくる
−−今年は2024年のパリ・オリンピックに向けた重要な年でもあります。9月にU23アジアカップ(カタール)の予選があって、勝ち抜くとU23アジアカップへ。これがパリ五輪の予選を兼ねるという流れです(アジア枠は3.5)。これまでの代表活動では、細谷選手がフォワードのファーストチョイスになることが多かったですね。
細谷 年代別の代表活動については、まずはレイソルでの結果が必要になってくると思っています。そのためには、当たり前のことですけど、ゴールというのがやっぱり一番分かりやすい。レイソルでの自分の役割はやはりそこですし、それに加えて前線からの守備についても、レイソルのネルシーニョ監督もU-22代表の大岩剛監督も求められていることなので、両方の監督のサッカーを理解してやっていけば選ばれると思っています。
−−代表選出の基準としてのゴールを柏で取り続ける、という点でいえば、ちばぎんカップで見せた柏の4-3-3システムは魅力的でしたね。特に中盤から前では、アンカーには高嶺朋樹選手、インサイドハーフには山田選手と仙頭啓矢選手と3人とも新戦力で、最前線は真ん中に細谷選手が立ち、右にマテウス・サヴィオ選手、左に小屋松知哉選手というメンバーです。どこからでも細谷選手にボールが出てきそうなイメージで。
細谷 テクニックがある選手が多くて、その分、ゴール前での自分の動きがカギになってくると思います。彼らの連係にうまく入ってゴールを取りたいと思いますね。彼らとは距離感を近く取ることを意識していますし、例えば山田選手も常にコミュニケーションを取ってくれるので、自分がいい動き出しをすれば、ボールは出てくると感じています。
−−先ほども話してくれたように、山田選手とはさっそく結果を残しましたしね。
細谷 攻撃のところで感覚が合うし、彼の守備の強度もパワーを感じます。そういう部分でも本当にいい刺激になっていますね。
−−ますますテクニシャンが揃った柏の前線は面白そうです。
細谷 本当にテクニックのある人が多いですし、もちろん待っているだけにならずに、自分が受けて起点になることも必要です。そういう使い分けが大事になってくると思っています。
−−トップチームの公式戦を経験してから、今季で早くも5シーズン目となります。貫録もどんどん増しています。
細谷 メンタル面でも成長したという感覚があります。例えば、決定機を外してしまったとしても、そこでネガティブにならずに次のチャンスに備えることができていて、そこは意識しながら集中しています。
−−改めて、いよいよJ1が開幕します。まずは開幕戦のピッチで何を表現したいと考えていますか。
細谷 自分の持ち味を100パーセント表現したいと思います。相手のガンバさんには誰もがその名前を聞いたら分かるような選手がたくさんいますし、同世代の選手もいるので、そういう選手たちに勝ちたい気持ちが強いですね。開幕戦に勝って、最高のスタートダッシュを切りたいと思っています。
ほそや・まお
2001年9月7日生まれ、茨城県出身。身長177cm、体重69kg。柏レイソルA.A.TOR'82 - 柏レイソルU-15 - 柏レイソルU-18と柏のアカデミーで育ち、2019年3月にトップチームに2種登録、20年に正式に昇格した。強さと速さと思い切りのいいシュートを兼備するオールラウンドなストライカーで、パリ・オリンピックを目指す代表でも主軸と期待される。2022年にはJリーグベストヤングプレーヤー賞に輝いている。