Jリーグは11月7日、年間表彰式の『2022Jリーグアウォーズ』を開催した。サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」では、今季のベストイレブン受賞者にインタビューを実施。川崎フロンターレからは5人が選ばれ、マルシーニョは初めての受賞となった。12ゴールと6アシストで大きく勝利に貢献してきたが、「来年はもっと」の意欲に満ちている。

「人生で初めてのハットトリックだったんですよ」

画像: マルシーニョはチャンスメーカーだけではなくストライカーとしても出色の出来だった(写真◎J.LEAGUE)

マルシーニョはチャンスメーカーだけではなくストライカーとしても出色の出来だった(写真◎J.LEAGUE)

――12ものゴールのうち、印象的なもの、お気に入りのものを教えてください。

マルシーニョ ゴールキーパーの頭を越すロングループシュートで決めたゴールですね(8月31日、第20節のサガン鳥栖戦)。ボールが弾んでいた状態だったので、すごく難しいシュートだったと思うんですけど、しっかりゴールに結びつけることができました。だから、あれが自分の中で一番ですね。

――キーパーのポジションをしっかり見て、バウンドした上がり際を右足のアウトサイドで送り込むように蹴り出したテクニックが光りました。

マルシーニョ 最初にキーパーの選手も前に出てこようとしていたんですけど、僕のほうが速いと思って慌てて戻り始めた瞬間だったので、そこをうまく突けたと思っています。

――朴一圭選手は広い守備範囲を誇るゴールキーパーですが、その情報は入っていましたか。

マルシーニョ ミーティングで伝えられる相手の情報や特徴を意識していたこともありますが、キーパーが出始めたけれど戻ろうとしていた、という動きをしっかりと見ることができたから、決めることができたと思います。

――同じようにカウンターで独走して90+6分に決めた、北海道コンサドーレ札幌戦(6月18日の第17節)のチーム5点目も印象的です。

マルシーニョ そうですね。次に気に入っているのがそのゴールです。スコアも4-2だったし、ラストプレーになると考えていたので、あのボールは自分のもので、勝負していいと思いました。

 最初に追いかけてきた選手(菅大輝)には、ボールを自分の近くに置いて飛び込ませるイメージでした。すでにイエローカードをもらっていたので、飛び込みづらいだろうという印象がありました。相手が食いついてきたところでタッチして離れて、飛び込めなかった相手を避けるような形になりましたけど、うまくはがすことができました。そのあとは(福森晃斗が)中を締めてきて、右に出そうと思ったけれどゴールへのアングルがなくなるので、内側にボールを入れて左にかわしたのが大きかったですね。(もう一度、菅が戻ってきたところで)ボールを前にさらしてゴールを見たら右にコースがあったので、今度は右に切り返しました」

――8月20日の第26節アビスパ福岡戦ではハットトリックも決めましたね。川崎フロンターレの選手がJ1でハットトリックを達成したのは通算14回目、J1通算では253回目だそうです。

マルシーニョ 人生で初めてのハットトリックだったんですよ。それでチームの歴史に名を刻むことができてうれしいですね。来年、また決めたいです。

――個人としては目覚ましい活躍でしたが、チームとしては目標としていたJ1リーグ3連覇はなりませんでした。

マルシーニョ とにかく悔しい気持ちでいっぱいです。チームとしてタイトルを一つも取れなかったわけですから。タイトルは必要なものですし、私たちが勝ち得るべきものだったと思います。でも、もう終わってしまいましたから、何がよくなかったか、何を改善しなければいけないのかを分析して、この悔しさを来シーズンに晴らせればと思っています。

――来年への準備はもう始まっていると思いますが、間もなく開幕するワールドカップも刺激になると思います。チームメートである谷口彰悟選手、山根視来選手が参加します。

マルシーニョ フロンターレの仲間が日本代表に選ばれたことは本当にうれしいですし、能力があるからこそ選ばれたわけです。2人が、そして日本代表がワールドカップで活躍できることを祈っています。

――マルシーニョ選手と練習でしのぎを削る2人ですからね。

マルシーニョ 素晴らしい能力も人格も持っている2人は、必ず活躍してくれると思います。賢さも兼ね備えていますから、どんな相手でも世界で戦ってくれると思います。決勝は日本とブラジルになると思います!

取材・構成◎平澤大輔(編集部)


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