上写真=チョン・ソンリョンが最後の試合で狙うのは、もちろん無失点だ(写真◎J.LEAGUE)
「コツコツと積み上げてきた」
「意地があったから、復帰が早くなったと思います。僕だけじゃなくて、コーチングスタッフもトレーナーも、みんながサポートしてくれました」
チョン・ソンリョンが負傷したのが、10月1日の北海道コンサドーレ札幌戦だった。診断は右膝内側側副靱帯損傷で、その日から全治まで4週ほどを要する見込みだと発表された。しかし、10月29日のヴィッセル神戸戦で帰ってきた。予定より早くなったのは、意地だと言いきった。
コンディションは100パーセントにまで戻ってはいなかったという。しかし、2-1の勝利に貢献した。首位の横浜F・マリノスに勝ち点2差のまま、11月5日の最終節、FC東京とのアウェーでの「多摩川クラシコ」に向かう。
「みんなで力を合わせて最終戦まで競争できたのは、コツコツと勝ち点を積み上げてきた結果です。ここで逆転優勝できるように最善を尽くしたいと思っています」
特に今年は、昨年までのような派手なゴールラッシュも少なく、我慢の試合が多かった。それでも集中してていねいに勝ち点を重ねることで、途中で倒れずにここまで走り続けてきた。
「フロンターレしかできないサッカーを、シーズンを通してできたと思います」
この1年をそう振り返って胸を張る。2022年の最後の1試合も、同じように戦うだけだ。
「もちろん、少しの緊張感やプレッシャーは感じていますけど、これまでやってきたことをピッチで出せればいいと思っています」
川崎Fは勝つしか優勝への道はない。だからそのために、チョン・ソンリョンはゴールを守り抜く。