明治安田生命J1リーグで浦和レッズが次に戦うのが柏レイソル。5位と好調の相手に勝って、その差を詰めていく。新型コロナウイルス感染症の陽性者が増えることになったが、そんなときこそ選手の特徴を組み合わせてパワーを最大化させるリカルド・ロドリゲス監督の手腕が光るはずだ。

上写真=リカルド・ロドリゲス監督は昨年の6位より上位でのフィニッシュを目指す(写真◎スクリーンショット)

21年1試合平均勝ち点は約1.66点

「カップ戦のタイトルを狙う一方で、リーグ戦の目標は昨年の順位を上回ることです」

 リカルド・ロドリゲス監督は残り8試合となったJ1に向けて、ターゲットを明確にする。すでにAFCチャンピオンズリーグでは決勝進出を決めていて、ルヴァンカップでもベスト4入り。J1では第29節の柏レイソル戦を前にして、26試合で8勝12分け6敗の勝ち点36で9位にいる。「いまの9位で終えることは避けなければいけません」と上位進出が絶対目標だ。

 20チームで行われ、38試合制だった2021年は、18勝9分け11敗、勝ち点63で6位だった。1試合平均勝ち点は、約1.66ポイント。この水準を今年に当てはめると、全日程を終えて57ポイントが必要となり、あと21ポイントだ。残り8試合で7勝1敗以上が必要になる。

 もちろん単純比較はできないが、少しでも高い順位でフィニッシュするために、勝ち点を積み上げる作業に集中していく。

「9月は鹿島アントラーズに始まり、柏レイソル、セレッソ大阪と上位チームとの連戦です。最初の鹿島戦で勝ち点3を取れなかったのは残念ですが、上位を目指してしっかり結果を残したい」

 その鹿島戦では、新型コロナウイルス感染症の陽性者が出てメンバーの調整が必要になった。それでも、0-2から追いついて底力を見せた。その後もトップチームの選手から5日に3人、7日に2人に陽性が判明している。状況は厳しさを増すが、今季は同様の経験をすでに乗り越えてきたこともあって、リカルド・ロドリゲス監督は「いまは、試合に出られる選手でどう良いパフォーマンスをするかを考えています」と前向きだ。

 そのためにチェックしていく条件の一部を、次のように明かす。

「気をつけているのはまず、選手とポジションの特徴が合うかどうか」

「利き足も考えて、右サイドに右利きを置くのか左利きを置くのか」

「コンビネーションも大事で、2、3人の組み合わせがうまくいっているか。スモールグループのコンビネーションがよければ、11人でも調和が取れていいプレーができるようになる」

「11人だけではなく、後半に入る選手も違いを見せて貢献できるように考える」

 そんな準備をして、9月10日に迎えるのは柏だ。勝ち点44で5位。好調の攻撃に警戒を示す。

「昨年よりもポジショナルなサッカーをしていて、ドウグラスが戻ってきて武藤(雄樹)といいコンビを見せていて、その武藤が好調でゴールを重ねています。彼らが背後を狙うだけではなく、ウイングバックやインサイドハーフがサイドに出て展開していきますし、中でもプレーできます」

 その柏を相手に、起用できるメンバーの力をどんな組み合わせで最大化させるのか。リカルド・ロドリゲス監督の手腕に大きな注目が集まる。

「コンセプトの理解が深まっているので、メンバーが代わっても理解してプレーできると思います。選手の特徴やクオリティーに違いはありますが、チームとしてもパフォーマンスを維持することがチャレンジです」


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