上写真=ジョアン・シミッチが右CKにヘッドで合わせて待望の追加点!(写真◎J.LEAGUE)
■2022年8月31日 J1リーグ第20節(等々力/13,923人)
川崎F 4-0 鳥栖
得点者:(川)知念慶、ジョアン・シミッチ、マルシーニョ、大島僚太
「素晴らしいキッカーがたくさんいます」
1-0でリードして迎えた、後半開始直後の47分だった。右から脇坂泰斗が中央に蹴り込んだCKに谷口彰悟がジャンプ、しかしその頭を越えてしまう。だが、その奥から入り込んだジョアン・シミッチがヘッドでゴール左に送り込んで、ついに2点差にした。
前半終了直前に一度、鮮やかなパスワークから決めたマルシーニョのゴールがオフサイドで認められず、後半からサガン鳥栖がメンバー2人を入れ替えてパワーを出してきた矢先の追加点。だからこそ、価値があった。
「ゴールで貢献して、チームメートともに喜びあえてうれしかったですね」
仲間たちの手荒い祝福も心地よかった。
前節の鹿島アントラーズ戦でも右CKからフリーでヘディングシュートを放ったものの、GKに弾かれたシーンがあった。だが、ゴールが近づいている予感も漂わせていた。鳥栖戦の2日前、シーズンが押し迫ったいまだからこそのセットプレーの重要性について、こんなふうに説明している。
「これから先、まさに試合数が少なくなってくるとセットプレーはカギになりそうです。セットプレーも私たちの強みなので、しっかり有効活用したい」
これがまさに「予言」になった。
「先日のインタビューで答えたとおり、セットプレーは重要なものになると思っています。そのためには90分間、しっかりゲームに集中しなければいけません。このチームには素晴らしいキッカーがたくさんいますし、空中戦を得意とする選手もいるので、うまくフィットしてゴールが生まれたのだと思います」
シミッチが誇るのが、セットプレーだけでゴールを奪って勝ったわけではないことだ。ほかの3点は、川崎Fらしいコンビネーションから生まれている。
「セットプレーだけではなくて、1試合を通して自分たちのスタイルでボールを握ってプレーすることができました。そこでさらに、セットプレーからもゴールが生まれたというのが、よりいいことでした」
鬼木達監督も「(高さは)ジョアンの特徴でもあるので、自信になるプレーだったと思います」と喜んだ。これで5試合連続フル出場。ゲームのテンポをコントロールするアンカーとして、セットプレーでのフィニッシャーとして、ますます存在感を高めて優勝まで駆け抜ける。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE