上写真=鬼木達監督は苦しい陣容でも戦う抜く決意を見せている(写真◎J.LEAGUE)
「それが一番、力を発揮できると思うから」
新型コロナウイルス感染症の陽性者が多く出て、J1第23節浦和レッズ戦、ルヴァンカップ準々決勝第1戦セレッソ大阪戦で、ベンチにGK3人を入れるスクランブル態勢で臨んだ川崎フロンターレ。「少しずつ人が戻ってきて、雰囲気も元気になっています」と鬼木達監督は喜ぶが、もちろんまだベストの状態とは言えない。
その中で迎えるのが、8月7日のJ1第24節横浜F・マリノス戦だ。現在、J1のここ9試合で無敗、しかも7勝2分けと絶好調で首位を快走するトリコロール。この一戦を「大一番」「大きなポイントになるのは間違いない」「分岐点になるゲーム」と表現する鬼木監督は、どう戦うか。
「気持ちの部分ですね。勝ったから優勝が決まるわけではないし、負けてもなくなるわけではないけれど、プライドを持って戦うゲームです」
ベストメンバーが揃うか揃わないかという点にとらわれず、選手たちに戦う意味を問う。そしてもちろん、自分も監督としてのプライドをかける。苦しい状況だから仕方なく相手に合わせて自分たちの何かを変える、ということは「考えていない」ときっぱり。
「持っている力をそのままぶつけたいと思います。それが一番、力を発揮できると思うからです。もちろん、ゲームの中で感じた変化に対してその場で意思統一していかなければならないけれど、それも勝つためですから。自分たちのサッカーが一番勝てると思っているので、選手にそこを突き詰めてもらって、必要なところで最後に変化させるのが自分の仕事です。そこがブレることはありません」
2連覇中の王者対現在の首位チームというJリーグ最高峰の戦い。鬼木監督がその舞台に向かう姿勢は、「変わらないすごみ」とでも言おうか。
「勝利を求めているし、僕のその貪欲さはもうみんなわかってくれていると思いますからね」
そう話して、笑った。
「相手は変わらずに自分たちのサッカーをやり続けていますので、その力強さはあると思います。ただ、このゲームに関しては自分たち次第だと思っています。自分たちのサッカーをアグレッシブにできるか。そこに尽きると思っています」