上写真=韓国ではフィールドプレーヤーで公式戦に出場したことがあるというチョン・ソンリョン。「いつでも準備している」とどんなときでもチームの勝利に貢献する姿勢を示した(写真◎J.LEAGUE)
横浜FMは「首位を走る強いチーム」
新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けて、川崎フロンターレが苦しんでいる。
多くの陽性者が確認されたことで、J1第23節の浦和レッズ戦では控えメンバーが5人のみ、うちGKが3人含まれる陣容での戦いを強いられた。続くルヴァンカップ準々決勝第1戦のセレッソ大阪戦でも、ベンチメンバーは7人揃ったものの、やはりGKが3人だった。つまりこの2試合は、日々競い合って高め合っている「GKチーム」のチョン・ソンリョン、丹野研太、安藤駿介、早坂勇希の4人全員がメンバーに登録されて試合に臨んだことになる。チョン・ソンリョンはとても珍しいケースだと驚きながらも、ともに戦える喜びもあった。
「試合に入る前や、試合中も飲水タイムでも声をかけてサポートしてくれました。もちろん、フィールドの選手もみんなでサポートして一つになって戦ってきました」
非常事態だからこそ、強調するのは「一つになって」の部分。
「こういう状況でも全部の力を出し切って、監督の指示の下でお互いを信じて、チーム全体を信じて力を出し切ることが必要です」
「試合に出る選手も出られない選手も、スタジアムに来ることができなかった選手も、一つになって試合に臨んでいる気持ちで戦っています」
大きな痛手を負っているのは確かだが、逆に一体感が研ぎ澄まされていくことはポジティブな反応だろう。戦い方に微調整はありながらも、攻めて勝利を手にするポリシーを曲げないところも川崎Fらしい。
「1試合1試合、変わるところはありますが、戦術はコーチングスタッフが考えてくれていますし、コミュニケーションを取って最善を尽くすだけです」
余計なことが削ぎ落とされる分だけ、やるべきことがより明確になる。それを首位の横浜F・マリノスにぶつけるときがやってくる。8月7日のJ1第24節で迎える直接対決は、優勝への試金石だ。2試合少ない状態で勝ち点は11の差がある。ここで勝って詰めておきたい。
「首位を走る強いチームです。一人ひとりがいい選手だし、カウンターにもスピードがあります。ストロングポイントも特徴的なので注意したい」
前半戦では今季2試合目となる第9節で対戦し、2-4で敗れている。そのリベンジもかけた戦いに燃えている。