上写真=小菊昭雄監督は「選手たちは日々、バチバチとやりあっている」と高い強度で成長を臨む姿勢を評価している(写真提供◎セレッソ大阪)
「矢印を自分たちに向けて準備することに尽きます」
「これまでの2試合同様、正面からぶつかっていきたい」
セレッソ大阪の小菊昭雄監督の威勢がいい。
自ら「本気でタイトルを取りにいくための5連戦」と名付けた真夏の勝負。8月3日のルヴァンカップ準々決勝第1戦の相手は、リーグ2連覇中の川崎フロンターレだ。「これまでの2試合」とは、今季すでに戦い終えたリーグでの2試合のこと。アウェーで4-1、ホームで2-1と見事に「ダブル」を果たしているのだ。
その川崎Fは現在、苦境にある。この6日間で新型コロナウイルス感染症の陽性診断を受けたトップチーム関係者は12人。直近のリーグ戦、浦和レッズ戦ではベンチに5人しか入れられず、そのうち3人がGKという構成が大きな話題になった。
「コロナもそうですし、連戦でのケガ人など、シーズンの立ち上げからチーム力、クラブ力が問われると選手と共有してきました。明日のゲームもケガ人がいる中で、川崎もコロナでコンディション不良と、それぞれのクラブ力が問われる試合になると思います」
事情は異なるものの、お互いにリスクを内包しながらの勝負を覚悟する。だからなおさら、相手の状況よりも自分たちに目を向ける。
「われわれのサッカーができるように、矢印を自分たちに向けて準備することに尽きます。自分たちのサッカーをする、勝ちにこだわる、積み上げてきたサッカーをする、そのことに集中して臨みたい」
その「積み上げ」については、この3カ月ほどインテンシティを高めることを意識して選手に課してきたという。
「強度を意図的に上げることを選手に伝えてきて、1ランク、2ランクも上げてトレーニングしています。試合の随所で、球際や走り負けないこと、セカンドボールのバトルが見られるのは練習の成果だと思います」
もともと技術レベルの高い選手たちが集まっている。そこに「強さ」を加えることで、さらにチーム力が磨かれて鋭さを増してきた。それを川崎Fに遠慮することなくぶつけて「トリプル」を狙う。