上写真=毎熊晟矢の思い切りの良さはC大阪の大きな武器になっている(写真提供◎セレッソ大阪)
「うまくサボりながら」
清水エスパルスに1-1、川崎フロンターレに2-1、鹿島アントラーズに3-3、横浜F・マリノスに2-2、そしてガンバ大阪に2-1。セレッソ大阪が5試合負けなしだ。
3強の川崎F、鹿島、横浜FMと連続して対戦したし、最後はアウェーの大阪ダービーだったが、ここを黒星と無縁のまま駆け抜けたのは大きいだろう。もちろんこのすべてで先発している毎熊晟矢にとっても、充実の5戦だった。
「上位3チームとの連戦で負けなかったのは、チームとして自信になりました」
ただ、と続ける。
「みんな、勝ちきれなかった悔しさも忘れていません」
清水戦こそ追いついてのドローでまとめたが、鹿島戦は逆転に次ぐ逆転で勝ちきりたかったものの、89分に同点弾を浴びた。横浜FM戦は2点を先行しながら、1点を返されたあと、90+2分にまたもや追いつかれた。特に鹿島戦、横浜FM戦では、勝ち点4を逃したとも言える。同じような取りこぼしは、ここからは許されない。
今季、V・ファーレン長崎から移籍してきた毎熊は、パワフルな走力と思い切りの良さが魅力だ。長崎では右サイドバックで鳴らしたが、いまでは右サイドハーフのレギュラーにすっかり定着している。
「どのチームも前半に強度が高いと感じていて、個人的に前半で体力を奪われて後半はよく足が止まっていました。いいポジションを取ってうまくサボりながら、後半も同じ強度でやらないといけない」
疲労が足の動きを重くし、それが自慢の攻撃力を削いでいる、という感覚があるという。
「ゴール前でチャンスに絡むシーンがなくて、チャンスにもシュートを打てなかったと思う試合が多いので、そこが個人として足りていないところ」
フィニッシュワークにより関わるためにも、パワーを注ぐバランスを意識していく。とはいえ、心強いのがベンチメンバーの存在だ。
「頼りになる人しかいなくて、自分たちが飛ばしていければ後半にやってくれると感じながらプレーできています」
あとを任せる選手たちへの信頼が、さらに足を動かす。
中断明けの最初のゲームはアビスパ福岡が相手だ。長崎でプレーした2020年、J2で福岡と対戦している。
「福岡さんはJ2のときから守備が堅い印象があるので、1点の重みがさらに大きくなってくると思います。だから、やられないことはもちろんですけど、しっかり決めきる部分は大切にしたいです」
ここまで3ゴールだが、もちろん福岡戦でもゴールに狙いを定めていく。
「周りの選手が素晴らしいプレーをしているので、あとは動き出しの質。自分のところから、と思っています」
自分からアクションを発信すれば、パスが出てくる。仲間たちへの信頼はどこまでも厚い。