横浜F・マリノスのキャプテンにして、クラブ愛にあふれる情熱的なナンバー8。喜田拓也の存在はファン・サポーターの誇りだろう。明治安田生命J1リーグが再開する7月30日には、Jリーグ開幕時から続く唯一のカード、鹿島アントラーズ戦が待っている。『The Classic』と銘打った一戦は、首位と2位の直接対決。大一番を前に、喜田が思うこと。

土居聖真への「親近感」

画像: 恐れることなく体ごとぶつかっていくその姿勢が、見る者の心を打つ(写真◎J.LEAGUE)

恐れることなく体ごとぶつかっていくその姿勢が、見る者の心を打つ(写真◎J.LEAGUE)

――リーグ中断明けの7月30日には、2位の鹿島アントラーズとの首位攻防戦を迎えます。鹿島戦と言えば、1993年のJリーグ開幕から唯一続くオリジナル10同士の一戦です。アカデミー出身の生え抜きでもある喜田選手にとって、『The Classic』と銘打たれた伝統のこのカードはどのような位置づけでしょうか。

喜田 対戦相手としてリスペクトはありますし、ただ、相手がどこであってもまずは自分たちがどうあるべきなのか、そのことを大事にしてきました。鹿島戦も順位のこともあって注目される要素はたくさんありますが、自然体で目の前の試合にすべてをかけて準備して全員で戦って、ということを繰り返してきたので、それをやり抜く覚悟はいまも変わらないです。

 もちろん、僕たちがピッチの上だけで作るものではありません。両クラブとも、多くの人が関わって作り上げてきたものですから、リスペクトや感謝を忘れてはいけないですし、Jリーグの中でも大きなものを背負っているクラブ同士だと思います。長い年月をかけて培ってきた偉大なものに両チームとも誇りを持っていますから、それぞれの良さがぶつかり合うクオリティーの高いゲームになればいいと思っています。

――その鹿島に対しては、4月の第8節でカシマスタジアムでリーグ戦10年ぶりの勝利を飾っています。レネ・ヴァイラー監督が指揮を執る今季の鹿島のイメージを教えてください。

喜田 いままでのいわゆる鹿島といったところから、新たにチャレンジしたいこともあるのかなというのは、印象としてありますね。でも外にいる自分があまりいろいろと言及するべきではないし、素晴らしい相手で、そもそもチーム力がありますし、個人のクオリティーが高いのはずっと変わりません。

――一方で近年、鹿島には煮え湯を飲まされてきた印象もあります。今回、両キャプテンへのインタビュー企画なのですが、鹿島の主将・土居聖真選手には昨季のアウェーゲームでのハットトリックなど活躍を許しています。土居選手の印象を聞かせてください。

喜田 何度もうちを相手に点を取っている姿も見てきています。相手の間で受けて攻撃をスピードアップさせたり、最後の局面の質の高さには自信を持っていると思います。自由な時間を与えると高いクオリティーでなんでもできるという印象です。

――アカデミー育ちでクラブ一筋、背番号8をつけてキャプテンとしてチームを引っ張る。とても似ている立場ですね。

喜田 育成部門の出身で、トップチームでプレーをして、今年はキャプテン、という立場で大きなものを背負っていると思います。境遇は似通ったところもあると思うので、こんなことを感じてるのかな、とか、あんなことを考えているのかなと、ちょっとは分かる気がしたりして、親近感もありますね。

――そんな土居選手が先頭に立つ鹿島との一戦は、今季の優勝の行方を占うかもしれない大一番です。

喜田 間違いなく大事な試合です。素晴らしい相手とこのタイミングで戦えるので楽しみにしています。一方で、1位と最下位だろうが1位と2位だろうが、どんな試合であっても得られるのは勝ち点3。ですから、どこが相手でもかける思いはまったく変わりません。

 ただ、選手も人間ですから、メンタル面のことを考えると、このゲームをモノにすることによってもたらされる意味が大きいことは理解しています。それもスポーツの、人間がやるからこその面白さですよね。

 チームとして挑んでいきたいし、僕たちに失うものは何もありません。自分たちの良さを全面に出して、思い切ってぶつかっていくだけです。みんなで最高の準備をして表現したいと思っています。


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