上写真=前節は神戸に勝って今季初連勝。リカルド・ロドリゲス監督も思わず雄叫びだ(写真◎J.LEAGUE)
「足りないゴールを彼が決めてくれれば」
チャンスは作っているが、決まらない。リカルド・ロドリゲス監督が繰り返すその苦しみから道を開く救世主になるか。浦和レッズは6月27日、オランダの名門フェイエノールトからFWブライアン・リンセンを獲得することを発表したが、リカルド・ロドリゲス監督が1年以上前から追いかけてきたストライカーだという。
「前からチェックして獲得したい選手でした。今回のウィンドーでやっと実現しました。シュート力がありプレスもかけることができ、複数のポジションをこなすことができます。他の選手とどんな試合でも、時間帯によっても共存できる選手です。ゴール期待値がリーグ2位の浦和はチャンスをたくさん作っていますから、そこで足りないゴールを彼が決めて、浦和レッズをより危険な存在にしてくれることを期待しています」
今季はチームのほとんどの選手が入れ替わり、ケガ人や新型コロナウイルスの影響もあって、リーグでは4勝9分け5敗の「借金1」で10位と調子が上がらない。J1では今季初の連勝中だが、天皇杯ではJ2のザスパクサツ群馬に3回戦で金星を献上するなど、すっきりしない。リンセンの加入がそんな難しい状況を打破することになるか。
「まずは、チームとしてやることを彼が理解しないといけません。今年はヨーロッパの選手と日本の選手を文化的にも人間的にもサッカーでも融合することが監督としてのチャレンジですが、全員が同時に同じことを考えてプレーすることが大事です。彼が順応にどのぐらいかかるかわかりませんが、どのポジションで誰と組ませるのかは考えていきます。全員が同じことを考えてプレーできる状況を作らないといけないと思っています」
FWやセカンドストライカー、左サイドハーフが主なポジション候補になりそうということで、そのユーティリティー性が魅力。「試合によって、ゲームプランによって、組み合わせによって変わってきます」とさまざまな起用法が考えられると話す。
「私のキャリアの中での新しい章が始まることを、とても楽しみにしています」とは、そのリンセン。「浦和レッズのユニフォームを着た最初の試合を心待ちにしていますし、それが素晴らしい時間になることを祈っています」として、デビューを待ち望む。ビザの問題などで少なくとも7月16日までは出場はないとリカルド・ロドリゲス監督も明かしているが、1日も早い合流が待たれる。
「相手に注意するよりも、自分たちがどのように危険な場面を作って、どうやって点を取るかに重きを置いています」
そう繰り返すリカルド・ロドリゲス監督のポリシーにぴたりとはまる「最後のピース」に、リンセンがなるか。