AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の前年度チャンピオン、浦和レッズがドロースタートになった。グループステージのグループJ第1節で、9月20日に中国の武漢三鎮とのアウェーゲームを戦った。相手のラフプレーに苦しめられて、なかなかテンポをつかめなかったものの、90+4分にホセ・カンテが同点ゴールを決めて、2-2のドローに持ち込んだ。

上写真=ブライアン・リンセンが豪快なダイビングヘッドで1点目(写真◎Getty Images)

■2023年9月20日 ACLグループステージ第1節(@武漢体育中心体育場)
武漢三鎮(中国)2-2 浦和
得点:(武)ジャン・シャオビン、ダヴィドソン
   (浦)ブライアン・リンセン、ホセ・カンテ

「少し苦い味」と殊勲のホセ・カンテ

 ACL仕様のユニフォームに、胸の中央にチャンピオンワッペンが輝いている。2022−23シーズンのアジア・チャンピオン、浦和レッズが連覇への第一歩をアウェーの地で踏みしめた。

 中国の武漢体育中心体育場は、ホームチームのサポーターの大声援に包まれた。序盤からスタンドの興奮にそのまま背中を押された武漢三鎮の選手たちが押し込んできて、10分にはあっけなく先制ゴールを浴びる。縦パスの連続で中央に進入されると、ペナルティーエリアのライン上からジャン・シャオビンに鋭いシュートを許した。

 かつて川崎フロンターレを率いた高畠勉監督が指揮を執る武漢は鋭いチャージで浦和の足を止めようとするが、徐々にそのパワーにも慣れてきて、チャンスを生み出していく。24分に岩尾憲の縦パスから巧みに抜け出したブライアン・リンセンがフィニッシュ、27分には左サイドを抜けた伊藤敦樹のマイナスの折り返しを安居海渡が左足でダイレクトシュートを放つが、右ポストにはじかれた。

 前半は1点のビハインドで折り返すが、後半開始と同時に3人を交代させて攻撃へとシフトしていく。すると55分、右からの安居のクロスに合わせて中央でブライアン・リンセンがダイビングヘッドで突き刺して、目の覚めるような同点ゴールを決めてみせた。

 さらに攻め立てる浦和だったが、明本考浩がペナルティーエリア内で相手の背後から体をぶつけて倒してしまい、VARチェックから主審がオンフィールドレビューを経てPKを宣告。62分にダヴィドソンに決められて、再びリードを許した。

 武漢はこれでますます守備に厳しさを加えてラフプレーを連発、浦和の攻撃を分断しにきた。さらに5-4-1の並びでブロックを敷いたために、ほとんど武漢陣内で試合が進んでいく。攻める浦和、守る武漢。ホセ・カンテ、興梠慎三とFWを立て続けに投入した浦和は、ゴールへのパワーをどんどん高めていった。

 90分には小泉佳穂の縦パスをホセ・カンテが落とし、荻原拓也が狙ったがゴールの上。アディショナルタイムの目安が10分と示されてからも、浦和は躊躇なく攻めていく。90+2分にはCKのこぼれ球を関根貴大が狙うが、DFにブロックされた。

 そして90+4分だった。右からの小泉のクロスを伊藤がヘッドで落としてリンセンがシュート、ブロックされたものの、こぼれ球を見逃さなかったホセ・カンテが、左足アウトで回転をかけたショットが左にカーブしてゴール左上隅に突き刺さり、またもや同点に追いついた。

 浦和はこのあとも最後までゴールを目指したものの、タイムアップ。殊勲のホセ・カンテは「ゲームコントロールができている中でも難しい試合で、リードされていましたが、勝ち点1を手にするゴールを取れてうれしいです。でも、勝利できずに苦い味が少し残ります」と振り返った。

 それでも、まさに完全アウェーの中でもぎ取った勝ち点1の意味は大きい。連覇へ向けて、力強い一歩だ。

画像: 浦和レッズが敵地で劇的なドローを手にした(写真◎Getty Images)

浦和レッズが敵地で劇的なドローを手にした(写真◎Getty Images)


This article is a sponsored article by
''.