上写真=宮市亮が浦和戦でベストアシスト。その直後に「日本初ゴール」も決めて雄叫び(写真◎J.LEAGUE)
A・ロペスへの鋭いクロス!
――5月18日の明治安田生命J1リーグ第11節・浦和レッズ戦でのプレーが、5月の「月間ベストアシスト」に選ばれました。
宮市亮 ありがとうございます。光栄です!
――その19分のシーンを振り返ります。左のワイドで受けてからカットインすると、手前に西村拓真選手、その向こう側にアンデルソン・ロペスがいました。どんな景色が見えましたか。
宮市 このプレーの前に、同じような形でカットインからクロスを上げたシーンがありました(3分、8分)。この感じだったら今日は点を取らせてあげられるかもな、といういい感覚があって、同じようなシーンが来たので蹴り込むだけでした。
――西村選手が下がりながら近くに受けに寄ってきて、アンデルソン・ロペス選手は少しファーにふくらむ動きを見せました。ここで選んだのは、アンデルソン・ロペス選手でした。
宮市 まさにロペスがふくらんで動き出したのが見えました。ロペスはゴール前で強いですから、あそこに送れば何かしてくれるだろうなと。決めてくれてよかったです。
――そのアンデルソン・ロペス選手の手前には浦和の岩波拓也選手、後ろには明本考浩選手が待ち構えていました。そこで送ったクロスは、岩波選手の頭を越えて、しかも明本選手の手前に落とすという精度の高いものでした。
宮市 いい形になりましたけど、特にディフェンダーを越そうとか手前に落とそうというよりも、ロペスの動きしか見ていなかったです。ですから、ディフェンダーがいないような感覚で出しました。
――そのクロスをアンデルソン・ロペス選手がヘッドでゴール右に押し込んだわけですが、インフロントでこするような技術で蹴り込みましたね。
宮市 あの試合では、このアシストのあとに得点したシーンもインフロントで巻いて、というボールでした。あの蹴り方は得意なので、シュートにもクロスにも生きていると思います。
――いつごろからその技術が身についたのですか。
宮市 昔から得意な形ではありましたが、ヨーロッパに行って、(ティエリ・)アンリがよくやるのを見ていたんですよ。僕は小さい頃からアンリが好きで、アーセナルにいたときに半年だけですけど一緒にプレーしたので、キックの蹴り方を聞いたことがあります。そういうこともあって、精度が高まってきたんだと思います。
――アーセナルやバルセロナなどで活躍、フランス代表ではワールドカップやEUROも制したレジェンドのアンリ。どんなアドバイスをもらったのですか。
宮市 「アンリゾーン」と言える左45度の位置から、右足のインフロントでファーへ、というボールをどうやって蹴っているか聞きました。そうしたら、ゴールを狙わずに外を狙うんだよ、と。そうすれば、ボールが曲がってくるからちょうどゴールに入っていくんだ、逆にゴールを狙いすぎると曲がって早く中に行ってしまうから、外を狙って打っていくんだよ、と教えてくれましたね。
――今回のアシストはそのキックですね!
宮市 はい、まさにその形が出たと思います。
――「左からカットインして右足でインスイングのクロス」と「縦にスピード勝負で突破して左足でセンタリング」のコンビネーションは、まさにアンリと同じく得意なところです。
宮市 ディフェンスからしたら、中に行ったらやられて、縦に行ってもやられて、だと対応が難しいでしょうからね。だから、あそこでアシストを見せられたというのは良かったです。