上写真=チョン・ソンリョンはすでに切り替え完了。国内3冠に向かって進んでいる(写真◎KAWASAKI FRONTALE)
「いい芝生で気分的にも上がって」
「厳しい条件の中で最善を尽くした結果です。反省するところは反省して、本当に悔しいけれど切り替えて、次につなげなければいけない」
チョン・ソンリョンの切り替えは早い。唯一、フルタイム出場を続けたACLで敗退し、悔しくないわけはない。でも、もう次の戦いが迫っている。そこに向かうのがプロ。
一方で、切り替えの秘訣は、まるでサッカー少年のような無邪気さにあった。サッカーの本質に触れて、心が晴れた。
「ACLではずっと悪い環境でやってきましたけど、こっちに戻ってきてとてもいい環境、とてもいい芝生でプレーできて気分的にも上がっています。僕たちは自信を持って僕たちのサッカーをしていきたいと思います。ACLはもう終わったことなので、切り替えて準備していきたい」
最高の環境で最高のフットボールを楽しめる喜び。高温多湿と劣悪なピッチで溜まったACLのストレスは、これから発散すればいい。
もちろん、敗退させられたから反省は残る。チョン・ソンリョンが強調するのは「運」について。戦いそのものが間違っていたわけではないという自信の裏返しだ。ただし、運がなかっただけと割り切るつもりはない。
「悔しい部分もあるし、良くできたこともあります。私たちには運がありませんでした。でもそれは、引き寄せなければならなかった。だから、早く切り替えて引きずらずに挑んでいかなければいけない」
今回は特に、蔚山現代(韓国)に1分け1敗だったことが悔やまれるが、2試合ともビッグチャンスを繰り返し迎えながら、その度にGKのスーパーセーブに阻まれた。守っても、チョン・ソンリョンが体でしっかりブロックしたにもかかわらず、こぼれ球が味方の足に当たって相手に渡った蔚山との2試合目の最初の失点のようなケースもあった。運がなかった象徴的なシーンだが、運を引き寄せるための努力とは何かという問いかけは続く。
その答えは、勝ちながら探していく。
「3連覇は難しい目標で、誰もがトライできるものではありません。大きな目標に向かっていい準備をして、1試合1試合を決勝のように戦います」