上写真=蔚山現代のレオナルドと激しく競り合う谷口彰悟。敗戦の悔しさを忘れない(写真◎KAWASAKI FRONTALE)
「わかっていたのにやられる自分に腹が立ちます」
川崎フロンターレはACLグループI第5節の蔚山現代(韓国)戦で、今大会唯一の黒星を喫している。2点を先行されながら40分に1点を返したものの、後半開始早々の47分に3点目を決められ、守備を固める相手から90+2分にもう1点を奪ったがそこまで。2-3で悔しい敗戦になった。
3失点のうち2つは、若手のミスがきっかけになった。佐々木旭のバックパスをかっさらわれてカウンターを食らった2点目、中盤で橘田健人のパスがわずかに合わずに相手ボールになり、同じくカウンターで仕留められた3点目だ。
「ミスからの失点になりましたが、あまりなんとも思わないというか、自分自身もミスをして失点に絡むことがありますから」
サッカーはミスのスポーツだから、ミスそのものを悔やんでも仕方がない。谷口彰悟がフォーカスするのは、ミスのあとのプレー。
「ミスに関しては気にしません。ただ、あのパスを取られたあとの対応で防げるシーンでした。だからそっちのほうが気になっています。ミスがそのまま失点につながってはいけないですから、ミスをしっかりカバーして防ぐところに目を向けていくべきだと思います。そこは全員の問題なので、チームとしてこだわっていきたい」
どちらも奪われた地点は自分たちのゴールから遠かったから、そこからフィニッシュに至るまでの時間で別の対応があったと悔やむ。あるいはミスの前に、カウンターを想定して守備の準備を整える必要もあったと振り返る。
「わかっていたのにやられる自分に腹が立ちます。もっともっと賢くやらなければいけなかったと思います。カウンターに対する人の残し方だったり、パスがずれたりトラップができないことを想定しておかなければいけなかったのは、僕たちの甘さです」
だから、ミスはミスだが、敗れたのは若手だけの責任ではない。ただ、キャプテンとしてはこれを糧にして、本人たちの、チームの力に還元させなければならない。
「ミスした若い選手に言えるのは、気にしていないということと、ただし、ミスした原因として、消極的になったときに起こりうるということがあるので、ミスをして自信をなくしてゲームに入れなくなることは一番やってほしくないと思います。ミスしようが何しようが、強気でピッチに立ってほしいし、立つべきだということを彼らには伝えられると思います。もちろん、それが本当に難しいということも理解しているので、繰り返して強くなっていくだけです。みんなで協力しながら前を向いてサッカーができるようにしていきたい」
それがまず試されるのが、帰国して最初の試合となる5月7日のJ1第12節清水エスパルス戦だ。
「この悔しさや課題はACLだけのものではなく、今後につながるものです。その課題をつぶしていくこと、そしてやはり、自分たちが変わっていかなければいけないということはみんなが感じてます。その意欲を結果につなげられるように、激しく厳しくやっていかなければいけないという思いです」