上写真=鬼木達監督も遠野大弥もこの重要な一戦にかける思いは強い(写真◎KAWASAKI FRONTALE)
負ければ自力首位突破が消滅
川崎フロンターレは、勝たなければならない。
残り2試合となって、川崎Fは首位で蔚山は3位。勝ち点差は8と7でわずかに1だが、蔚山は負ければその時点で勝ち点4差となり首位突破がなくなる。川崎Fも引き分け以下なら、自力での首位突破は消滅。仮に最終的に勝ち点で並んでも順位決定は当該対戦成績の結果が優先されるから、直接対決で負けてしまえば最後は蔚山に上回られる。
だから、鬼木達監督の決意がすべてだ。
「お互いが勝つための一番の選択をしてくる戦いです。相手の戦略ややり方を早い時間で把握しながら戦うことが重要だと思っています。1位突破以外は考えていないので、勝つことです。勝つことはつまりゴールですから、どれだけゴールを目指せるか、そこにこだわっていきたい」
ゴールを決めるために、川崎Fは存在すると言っていい。攻撃力の高さをそのままぶつけることができれば、ゴールは奪える。
「日本を代表して、日本のチャンピオンとして来ているので、アグレッシブに、強気で戦うことに尽きます。勝つこと、それだけを信じて戦いますし、それが伝わる試合ができればと思います」
5-0で勝った前節のジョホール・ダルル・タクジム戦は現地22時キックオフだった。今度は17時。それだけリカバリーの時間が削られ、生活リズムも狂う。17時開始では暑さは相当なものだし、ピッチコンディションがお世辞にもいいとは言えないスタジアムに戻って戦う。
それでも遠野大弥は、自信を明かす。
「ピッチコンディションは自分たちのサッカーをすれば問題ないです。暑さも一回やっているので問題ないですし、環境は相手も同じです。自分たちのサッカーで上回って全力で戦いたい」
鬼木監督は「1戦目をどこまで参考にしていいか」と、お互いに負けられない決戦だからこそ、蔚山が何かを仕掛けてくるという警戒を怠らない。
「去年は(PK戦で)負けているので、今回は必ず勝ちたい。自分たちが受けずに自分たちから強気で自信を持って戦えればと思っています」と遠野。
「大一番になるという覚悟の下、全力で戦いたい」と鬼木監督。
悲願のACL制覇へ、大きな試練。これを乗り越えて、アジアチャンピオンの座へ向かっていく。