上写真=渡辺皓太は前節で今大会初先発。「中心になっていく気持ちをピッチで見せたい」(写真◎Y.F.M.)
「ローテーションは普通のこと」
横浜F・マリノスはグループHで2勝1敗として前半戦を終えた。後半戦はシドニーFC、ホアンアインザライ、全北現代という順番で対戦する。
シドニーFCとは連戦になるが、最初のゲームでは角田涼太朗のゴールでなんとか1-0で逃げ切った。ケヴィン・マスカット監督は「コントロールした。徐々に良くなっている」と胸を張ったが、チャンスは少なく苦しんだ90分だった。
「いい準備をして試合を迎えたい」と繰り返すマスカット監督は、同じように「自分たちのサッカーをしていく」とも強調する。「自分たちのサッカーは難しい」「それをこの環境の中でどれだけできるか」「私たちのサッカーは非常に多くのエナジーを使う」という言葉で何度も表現して、ポリシーを貫く意志を示してきた。シドニーFCとの再戦を前にしても、それは変わらない。
現在2位で残り3試合で3連勝を狙うが、「まずは目の前の1試合に集中する」とマスカット監督。
「このサッカーを過密日程の中で行うのに、ローテーションするのは普通のことです。それをしなければより難しくなってきます。私は全員を信じています」
前節からのメンバーの入れ替えを示唆した。
その前節では、渡辺皓太が初先発している。藤田譲瑠チマとともに中盤の底に並んで、ともにテンポよくボールをさばく強みを生かしてシドニーFCに的を絞らせないように展開していった。
「まず感じたのは、相手のカウンターが鋭くて特徴があるということでした。自分たちが細かいミスを少なくして一つのパスやトラップにこだわって、まずは失わないことを意識していました。もし失ったとしても、カウンターへのプレスでつぶしきれば常に攻撃できますから」
次も同じシドニーFCが相手になるから、この試合での経験値を生かさない手はない。高温多湿と中2日での6連戦で、コンディションの維持が最大のポイントになっているが、どこ吹く風。
「自分は疲労はまったく問題ないですし、いつ呼ばれてもいい準備はできています。チームとしてもコンディションの面ではリカバリーも最大限できていますし、誰が出ても問題ないと思います。残り3試合に関しても全員が準備することが大事ですから、しっかりいい準備をしていきたい」
ここからすべての試合に出る意欲は高まっている。
「こういう環境でできるのも貴重な経験ですし、ポジティブにとらえていきたい。今後、自分が中心になっていく気持ちを残りの3試合のピッチでもっと見せたい」
首位突破のためには勝ち続け、前回敗れた全北現代との最終決戦に持ち込まなければならない。だが、マスカット監督は周囲のはやる気持ちを感じ取りつつも、足元を見つめる。
「すべてのチームをリスペクトしていますが、全北との試合についていま考えることはありません。とにかく明日のシドニーFC戦に集中していきたい」
ローテーションがあるという言葉が本当なら、第2戦を戦ったメンバーが中心になるか。勝負の後半戦がいよいよ始まる。