上写真=激しくボールを奪い合うFC東京の松木と名古屋の稲垣(写真◎J.LEAGUE)
■2022年4月20日 明治安田生命J1リーグ第2節(味の素ス/観衆11,214人)
FC東京 0-0 名古屋
得点者:なし
勝利に値する試合をしていた(アルベル監督)
互いに何度かチャンスを得ながらも決め切れない前半を終え、迎えた後半。最初に得点機をつかんだのは名古屋だった。49分、マテウスのパスに柿谷が抜け出し、GKスウォビィクも抜きにかかる。かわしてシュートを選択したが、FC東京の守護神はかわされる瞬間に、横っ飛びでボールに触れ、何とかクリア。名古屋にとっては悔やまれる場面になった。
その4分後、今後はFC東京にビッグチャンスが訪れる。自陣からカウンターで、松木が左から右へ展開。受けた永井がそのまま持ち込んで放った右足ミドルはゴール右ポストを叩いて跳ね返った。待っていたのは、フリーのD・オリヴェイラ。ホームチームに絶好機が訪れた。しかし、左足ダイレクトで放ったシュートはクロスバーを直撃。先制点のチャンスをフイにしてしまった。
その後も球際で戦い、互いにゴールへの意欲を示しながらゲームは進んでいった。しかし、ゴールは生まれない。70分を過ぎ、FC東京はD・オリヴェイラに代えて渡邊を投入。それに伴い、アダイウトンが3トップの真ん中に映って、攻撃に変化を加えていく。対する名古屋も73分に柿谷に代えて前線でターゲットになれる金崎をピッチに送り、活性化を図った。さらに残り時間が少なくなると、78分にFC東京ベンチが動く。小川→中村、青木→三田、アダイウトン→山下の3枚替えでゲームを動かしにかかった。
81分には松木のプレスからから最後は山下が狙うがシュートはGKランゲラックの正面をつく。その直後に名古屋も金崎が右サイドを突破してボックス内に進入したが、相手守備陣に囲まれてシュートに持ち込むことはできなかった。
残り5分を切り、名古屋も2枚替えでゴールを奪いにいく。仙頭に代えて阿部、マテウスに代えて齋藤を投入し、勝利を目指した。
アディショナルタイムにはCKから名古屋が立て続けにチャンスをつかんだが、FC東京も集中した守備でゴールを許さず。試合は結局スコアレスドローで決着した。FC東京は3試合連続のスコアレスドロー。名古屋もリーグ戦では3試合続けての無得点となった。
「このリーグはとても拮抗しています。結果は細部で決まってくる。今日はわれわれに決定的なチャンスがあった。あのシュートが入っていれば勝てた試合だったと思います。あのチャンスがあり、勝利に値する試合をしていたので引き分けというのはとても残念です」
勝利に値した。そう話したのはFC東京のアルベル監督。決め切れなかったことを悔やみながらも、内容面を評価した。対する名古屋の長谷川健太監督も「お互い持ち味は出した試合だった。東京と対戦する時の狙い通りにチャンスをつくれましたが、決め切れなかった。狙いとしているサッカーがやっとでき始めたので、この勝ち点1を3に持っていけるようにしたい」と好機を生み出したことに触れ、手応えを強調した。
昨季までFC東京の指揮官だった長谷川監督の味の素スタジアム『帰還マッチ』としても注目された試合は、スコアレスドローに終わった。今季から新たなスタイルに取り組んでいる、つまりは成長過程にあるチーム同士の対戦であり、その完成はまだまだ先になるのだろう。そう考えれば、次回の対戦は今回とは異なる内容となるに違いない。両者の再会は10月29日、シーズン終盤の第33節。今度は名古屋のホームで、相まみえる。
◆出場記録
・FC東京メンバー:GKヤクブ・スウォビィク、DF長友佑都、木本恭生、森重真人、小川諒也(77分:中村帆高)、MF安部柊斗、青木拓矢(77分:三田啓貴)、松木玖生、FW永井謙佑(58分:紺野和也)、ディエゴ・オリヴェイラ、アダイウトン(77分:山下敬大)
・名古屋メンバー:GKランゲラック、DF中谷進之介、藤井陽也、丸山祐市、MFレオ・シルバ(57分:長澤和輝)、吉田豊、稲垣祥、仙頭啓矢(88分:阿部浩之)、相馬勇紀(57分:森下龍矢)、FW柿谷曜一朗(73分:金崎夢生)、マテウス・カストロ(88分:齋藤学)