上写真=長谷川健太監督が味の素スタジアムに帰ってくる!(写真◎J.LEAGUE)
自分で作ったジンクスを破る!
長谷川健太監督が味の素スタジアムに凱旋だ。延期されていたJ1第2節が4月20日に開催され、名古屋グランパスがFC東京とアウェーで対戦する。
ご存じの通り、今年から名古屋を率いる長谷川監督は、昨季までの4年間、FC東京を率いていた。J1リーグ2位、ルヴァンカップ優勝といった実績も残してきた。ただ、昨年11月6日に横浜F・マリノスに0-8で敗れた翌日に辞任、そのままチームを去ったから、遅ればせながらFC東京のサポーターに感謝とお別れのあいさつをする機会にもなりそうだ。
もちろん、それは名古屋が勝利を収めた上での話。名古屋はFC東京に対して2016年からアウェーで1分け4敗と、5試合連続で勝利がない。つまり、長谷川監督自身が作った「味スタの名古屋は勝てない」というジンクスを、今度は自分で率いて破る戦いなのだ。
「当時はそのことは意識していませんでした」と長谷川監督は振り返るが、改めて敵としてFC東京を見ると「嫌なチームだなと思います」と本音も。「彼らは非常にしっかり戦えていると思いますし、好調で勝ち点を積み上げています。だから、しっかり締まった試合をしながら勝利に結びつけていきたい」と誓う。
そのために生きてくるのが3バックの新布陣だ。ルヴァンカップのサンフレッチェ広島戦、J1の鹿島アントラーズ戦で続けて採用。丸山祐市が負傷から復帰したことで実現したフォーメーションで、中央に若い藤井陽也を据え、右で中谷進之介、左で丸山が支えた鹿島戦では、相手の強力な攻撃陣を食い止めた。2月19日の開幕戦、ヴィッセル神戸戦以来、およそ2ヶ月ぶりのクリーンシート達成だ。得点もなく0-0で終えたのは課題だが、守備が引き締まった効果は大きい。
「入ってくるボールにしっかりいって、チャレンジアンドカバーもはっきりできていました。鹿島戦では最後にしっかり体をつけてシュートを打たせないことはできていたので、よりはっきりしたことで選手がボールにいきやすくなったのは事実としてあると思います」
中央を固めることでよりタイトな守備が戻ってきた。「相手チームはあまり関係なくて、自チームがどう戦うかを判断材料にしていきたいと思います」と、もちろん4バックとの併用も視野に入れる。だがまずは、継続路線を進む意図も明かしている。
「特に守備で改善が見られたので、引き続き締まった試合ができるかどうか。東京には個の力を持ったタレントがいるので、簡単に仕事をさせてしまうとゴールに直結してしまいます。簡単にプレーさせないのが大事だし、個人だけではなくグループでしっかりと管理していくことが大事になります」
昨年まで率いたチームは多くの選手が残っただけに、特徴はよくわかっている。「味スタの名古屋は勝てる」に歴史を変えるために、長谷川監督が味の素スタジアムに足を踏み入れる。