上写真＝チームの4点目をスコアした松尾佑介をユンカーとモーベルグが祝福（写真◎AFC）
■2022年4月15日 ACLグループF第1節（@ブリーラム・スタジアム）
セーラーズ 1-4 浦和
得点者：（セ）OG
（浦）キャスパー・ユンカー、江坂任、ダヴィド・モーベルグ、松尾佑介
相手のスライドよりも早く攻める
力の差は歴然だった。シンガポール王者セーラーズに対し、天皇杯王者の浦和は開始直後からボールを握って優位に試合を進めていった。中から外へと積極的にボールを動かし、サイド攻撃でゴールへと迫った。開始8分に決まった先制点もサイド攻撃がポイントだった。
岩波から左サイドに構える松尾へ。相手の右サイドバックが食いついたことを確認したトップ下の江坂が空いたスペースに流れ、松尾から縦パスを引き出し、クロスを供給。タイミングよく走り込んだユンカーが頭で合わせ、ネットを揺らした。
鮮やかな連動でゴールを記録した浦和は、その後もさらに攻撃を加速させていく。15分にも左サイドを崩して追加点を記録した。大畑から縦パスを受けた松尾が左サイドで突破をはかると、低くて速いクロスを送り、最後は江坂が合わせて2-0とリードを広げてみせる。
相手のセーラーズは守備の局面でブロックを築いたが、浦和は相手がスライドするよりも早くボールを動かし、サイド攻撃を展開した。前半終了間際の3点目は右サイドからだった。酒井の鋭い縦パスをやや内側にポジションを取っていたモーベルグが見事にコントロールし、素早く左足を振り抜いてニアサイドを破った。このファインゴールの直後にモーベルグはGK鈴木がいない自軍のゴール方向へバックパスをして相手にゴールをプレゼントするミスを犯すが、前半は浦和が終始圧倒して終わった。
後半開始直後、チームの4点目もやはりサイドを攻略することでもたらされた。オウンゴールをしたモーベルグがミスを取り返すように右サイド深い位置で仕掛け、ボックス内に走り込んだ伊藤にパス。伊藤がワンタッチして中央へ流すと左サイドから詰めていた松尾が蹴り込み、浦和は再び3点のリードを手にすることになった。
グループステージが中2日で6試合を戦うハードなスケジュールであることを考えれば、早めに試合を決め、選手を休ませるのが理想的なプランだが、この日の浦和はその理想を形にしてみせた。64分には伊藤、江坂、モーベルグの3人を交代。71分には直前に警告を受けた岩尾も下げ、試合をクローズさせる体勢に入っていく。
ゲーム終盤になると、浦和はリスクを管理しつつ、機を見て攻めに転じる策をとった。無理はせず、無駄な消耗を避け、しかし攻め筋が見えたら前に出る、そんな戦い方だ。高温多湿の気候と厳しい日程を考えた試合運びで、時計の針を進め、ほどなく試合終了の笛が鳴る。
結局4-1で終了。ミスによる失点はあったものの、4ゴールを集めた浦和が見事に初戦を勝利で飾った。
◆試合出場メンバー
・セーラーズメンバー:GKハッサン・サニー、DFタジリ・サラマット、ハリス・ハルン、ペドロ・エンリケ、イクラム・リフキ（79分:ヌル・アダム・アブドゥラー）、MFディエゴ・ロペス（63分:ファリス・ラムリ）、アヌマンサン・クマール（63分:アミルル・アドリ・アズミ）、シャーダン・スレイマン、FWガブリエル・クァック（24分:ハフィズ・ノル）、キム・シヌク、マクシム・レスティエンヌ（79分:ソン・ウィヨン）
・浦和メンバー:GK鈴木彩艷、DF酒井宏樹、岩波拓也、アレクサンダー・ショルツ、大畑歩夢、MF伊藤敦樹（64分:柴戸海）、岩尾憲（71分:明本考浩）、ダヴィド・モーベルグ（64分:関根貴大）、江坂任（64分:小泉佳穂）、松尾佑介（86分:大久保智明）、FWキャスパー・ユンカー
