上写真=前節のC大阪戦で4試合連続で先発した佐々木旭(写真◎J.LEAGUE)
ミスを怖れてやっていたらダメだと思う
佐々木は3月6日のG大阪戦以降、4戦連続先発中だ。ルーキーながらその存在感は日に日に高まっていると映る。
「この前の試合は、自分たちのミスから崩れていってしまった。ただそこはもっと質を高めれば、どうにでもなることだと思います。次の磐田戦に向けてしっかり準備していきたい」
前節のC大阪戦は4失点で敗戦(1-4)。ホームでもあり、悔しい結果になった。ただ、その悔しさをはすぐ前向きな気持ちに変換して前に進まなくてはならない。チームはACL前の連戦中であり、次の試合がすぐやってくるからだ。「ミスを怖れてやっていたらダメだと思う。どんどんチャレンジしていって、そうすればうまくいくシーンも多くなる。オニさん(鬼木達監督)は毎試合、試合前のミーティングで『ミスを怖れるな』と言っているので、この前の試合ではそれを出せなず、ああいう結果になったと思うので、次の試合からどんどんチャレンジしていきたい」。
敗戦のショックを引きずることなく、佐々木は6日の磐田戦へ気持ちを集中させた。現在、左サイドバックの登里享平が負傷離脱中であり、今後も佐々木にはコンスタントに先発機会が訪れるだろう。本人も自身への期待をしっかり受け止めている。「ノボリさんがない以上、勝利に貢献しないといけないと思っています。いないからという感じではなく、自分が出るからには責任を持ってやりたい」。ただ代わりになるのではなく、佐々木旭という個性をチームのために、勝利のために表現するつもりだ。
前節の試合では「個人としては前半からミスが多くて、前半のうちになかなか修正することができなくて、失点してしまった。もっともっと自分も成長していかないといけないですし、全員が調子のいい日はなかなかないと思うので、誰かがきついときには、みんなで助け合ってチームとして戦っていけるようにしたい」。
成長への意欲を改めて口にした佐々木は先日、「ハッとさせれる」出来事があったと明かした。代表帰りの谷口彰悟と会話したときだった。
「ビルドアップが自分の課題かなと思っていたんですけど、彰悟さんと話して、『まずはそこじゃない』と言われてハッとさせられました。長友(佑都)選手や中山(雄太)選手がなんで(代表で)使われているかという話をしたときに、やっぱり守備の部分で水をこぼさないという話をされて。確かにそうだなと。代表とか大舞台の試合で、守備の部分でスキを作るシーンというのはなかなかない。そういう選手たちが日本代表として戦っているんだなと思ったので、自分もまずは守備のところから、スキを見せずにというところを意識してやっていきたいと思いました」
水を漏らさない守備と、川崎Fのスムーズな攻撃を実現するビルドアップの力。その両面を高水準で実践できるようにしたいと佐々木は語った。磐田戦、柏戦と連戦を戦った後には、マレーシアでのACLが待っている。異国の地で4月15日から30日まで中2日で6連戦を戦う。チームの総合力が問われる過酷な連戦だ。
「ACLという舞台はなかなか立てる舞台ではないと思うので、自分の力をしっかり試したい」。このACLを含め、4月の1カ月間は、ルーキーの成長速度をさらに速める、そんな試合が連続しているように映る。この過酷な連戦を乗り越えたとき、きっと一回りも二回りも大きくたくましく成長した佐々木旭を見ることになるーー。