明治安田生命J1リーグは中断明けとなる第6節が4月2日に行われた。各クラブとも過密日程が続く月の最初のゲームは、川崎フロンターレに挑んだセレッソ大阪が主役の座を奪った。きびきびとした守備が効いて前半だけで3ゴール。後半も余裕の試合運びで4-1と快勝した。川崎Fは今季2敗目で、ホームゲームでの連続負けなし試合数の記録は最多タイの25試合で途切れた。

上写真=王者のホームで4発快勝。C大阪がともに戦ったサポーターと笑顔で記念写真に収まった(写真◎J.LEAGUE)

■2022年4月2日 J1リーグ第6節(等々力/18,090人)
川崎F 1-4 C大阪
得点者:(川)マルシーニョ
    (C)乾貴士2、山田寛人2

画像: ■2022年4月2日 J1リーグ第6節(等々力/18,090人) 川崎F 1-4 C大阪 得点者:(川)マルシーニョ (C)乾貴士2、山田寛人2

「全員でハードワークしよう」と小菊監督

 川崎フロンターレが、まさかの4失点。ようやく一矢報いたのは81分で、1-4の完敗を喫した。

 勝負を決めたのは、セレッソ大阪の出足の鋭さだ。特に目立ったのが2トップの加藤陸次樹と山田寛人の献身性。労を惜しまずにスプリントを繰り返して、川崎Fのボールホルダーにプレッシャーをかけ続けた。13分の先制ゴールは、まさにそれが実った形。加藤が川崎FのDF谷口彰悟がコントロールしようとしたボールをつつき、中原輝が右前へ、加藤がすかさず中央へ戻すと山田が思い切りよくシュート、DFのブロックでコースが変わって右ポストに当たり、ゴール前を横断して逆サイドに転がったところに、乾貴士が詰めていた。

「川崎を相手にゴールを守る守備をしてしまうとやられるので、積み上げてきたサッカーで勇敢に、アグレッシブに奪いにいくこと、常にゴール目指してボール動かすことを、90分全員でハードワークしようと」

 小菊昭雄監督の強い意志が、この1点目に凝縮されていた。

 28分の2点目は左サイド。自陣からつないで乾、加藤、山中亮輔と縦に動かしてから中へ、中原が中央で受けてワンテンポ置いた時間を利用して乾がゴール前左に潜り込み、中原のていねいなラストパスを受けて冷静に左足で流し込んだ。36分には自陣でルーズボールに反応した加藤が先にボールに触って前へ、さらに山田が谷口とうまく入れ替わって抜け出して、GKとの1対1を冷静に制して左足で流し込んだ。

 川崎Fは前半だけで3点のビハインド。王者らしからぬ戦いに、鬼木達監督は後半開始から4人を同時に交代させることを決断した。「自信を持って動かすことが必要だと思いました。実際には3枚という予定でしたが負傷者が出てしまうイレギュラーもあって4枚になりましたが、ビハインドだったので走る選手を入れて人をかけることが必要だと思って判断しました」と狙いを明かした。これで後半のキックオフから攻撃の意欲を強めていったものの、どうしてもゴールを割ることができない。

 苦心する川崎Fを横目に、C大阪がさらにリードを広げた。68分、相手のパスミスを奪って中原が一気に左に展開し、Jリーグデビューとなったジェアン・パトリッキが裏へ流し込む。原川力が内側から一気に左前に出て、ニアへ。山田が右足でワンタッチでズバリと蹴り込んだ。

 川崎Fは遅ればせながら86分に、佐々木旭が中央からゴール左にスルーパス、小林悠がヒールで落として左から入ってきたマルシーニョがゴール右に流し込んだ。ようやく川崎Fらしい美しいコンビネーションからゴールを奪ったが、これが精一杯だった。

 まさしく快勝。小菊監督の言葉も力強く弾む。

「センターバックにプレスをかけて、全員がスイッチを共有して奪いにいく作業ができました。ボールへのチャレンジとプレスバック、ボランチのカバー、最終ラインのカバーを含めて、全員が集中して90分できたことが結果につながったと思います」

 アウェーでやりたいことをやりきった充実感がにじみ出る。

 逆に鬼木監督は静か。2月の横浜F・マリノス戦でも4失点して敗れており、今季2敗目も4失点。「自信を持たせてあげられなかった」と厳しい表情だった。前半から考えられないような技術的なミスが続き、ホームゲームでの連続負けなし試合数の記録は、最多タイの25試合(うち引き分けは3)で途切れた。

現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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