現IWGP世界ヘビー級王者であり、新日本プロレスの大看板にして日本プロレス界を背負って立つ男、オカダ・カズチカが味の素スタジアムにやって来る。2月26日の来場予定は試合が中止となったために実現しなかったが、『約束』を果たすために、4月10日(日)に緊急参戦することが決定した。今回は来場を記念してFC東京のDF小川諒也との対談を実施。ジャンルの垣根を越えた異色のクロストークで、互いのプロフェッショナリズムを深掘りする。

上写真=FC東京の小川諒也と新日本プロレスのオカダ・カズチカの異色対談が実現!(写真◎中島光明、Getty Images)

みんな走るのが速くて驚いた(オカダ)

小川 こんにちは。FC東京の小川諒也です。今日はありがとうございます。

オカダ 初めまして、新日本プロレスのオカダ・カズチカです。

小川 クラブが出したリリースを見たのですが、オカダさんは味の素スタジアムに来たことがあるそうですね。

オカダ そうなんですよ。かなり前ですけど、自分がちょうど永田裕志さんの付き人 をしていたときでした。2009年ですね。永田さんがイベントに参加するということで、僕もスタジアムに行かせてもらいました。

小川 2009年…僕はまだ中学1年生です。

オカダ 13歳? ということは小川選手と僕は9歳差になりますね。

小川 試合を見て、どんな印象を持ちましたか。

オカダ 僕はウイニングイレブン(サッカーゲーム)をめちゃくちゃやり込んでいたんですけど、やっぱり生で見るサッカーは違いました。「めっちゃパス速いんじゃん」と感じましたし、選手の走るスピードも速かった。すごいな、の一言で。小川選手はプロレスを見たことありますか?

小川 いや、まだ会場では見たことがないんです。テレビでやっている際に見たことは当然あります。プロレスとの接点で言えば、高校のときにプロレス好きな友達がいて、技の真似をしてみたことぐらいしかないです。

オカダ 男子学生あるあるですね(笑)

小川 ぜひ生で見てみたいです。今回、オカダさんと対談すると友達に言ったら「プロレス界のトップだよ!」と言われました。

オカダ お友達にもよろしくお伝えください(笑)。ぜひ、会場に来てください。

小川 ありがとうございます。

ーージャンルは異なるお二人ですが、ともにプロの世界で活躍されています。プロフェッショナルということに関して、お二人はどう考えていますか。

オカダ 僕は、見る人を満足させられるかどうかをいつも考えています。極端な話、僕が負けて喜ぶ人がいると思いますし、それは個人としては悲しいことですけど(苦笑)、それでも僕が負けたときに立ち上がって喜んでいるお客さんの姿を見ると、満足させられたかな、興奮する戦いができたのかなと感じることができます。もちろん負けて良かったとは思わないですが、プロとしての役割を果たせたかなと。

小川 僕らはチーム競技なので、プロレスの世界とは魅せるという意味で少し違いがあるかもしれませんが、お客さんはお金を払って自分たちの試合を見に来てくれているので、(プロなら)満足させなければいけないという思いは強くあります。スタジアムから帰るときに、喜んで帰ってほしいと思いますね。

オカダ そこは共通する部分ですね。

小川 勝ったとしても、チームとして内容的に満足できないときはやはりあります。胸にモヤモヤが残ることがある。そのあたりはとても難しいのですが、勝って、その上で内容も良いというのがあって初めて満足できる気がします。

オカダ プロは結果と内容、その両立を考えるものですよね。それから、僕はプロとして色んな人に『見られる存在』であるということを意識しています。リング上だけではなく、リングを降りてもそれは同じで、常にカッコイイ存在でありたいし、そうでければダメだと思っています。そこはすごく意識している部分ですね。

髪をピンクにして気付かれた(小川)

画像: 2021年にA代表デビューを飾った小川諒也。当時の髪の色はピンクだった(写真◎Getty Images)

2021年にA代表デビューを飾った小川諒也。当時の髪の色はピンクだった(写真◎Getty Images)

ーープロレスの世界は特に自己プロデュース能力が問われるかもしれません。

オカダ 自己プロデュース能力は本当に大事で、例えば自分のキャラクターも、とても重要な要素の一つです。まず、初めて会場に見に来てもらった人に自分のことを覚えてもらわないといけないですから。僕であれば、「お金の人」とか「両手を広げる人」とかイメージは何でもいいですし、真壁(刀義)さんだったら「チェーンの人」とか「スイーツの人」とかでもいいと思います。見ている人に何かしら引っかかるものを自分で考えて自分で提供していかないといけない。それができるかできないかで、自ずと選手としての価値が変わってくる。自己プロデュース力が問われるところですね。

小川 サッカーはチームスポーツということもあって、正直、個人的にはあまり自己プロデュースを意識したことはないです。ただ、昨シーズンの話ですが、日本代表に招集されたときに、髪をピンクに染めていたんです。それが珍しかったのか、そのことで多くの人に自分のことを覚えてもらえました。街ですれ違うサッカー少年に気付いてもらう機会も、いつもよりも多かったです。プロレスほど、個人の特徴を出せる競技ではないですけれど、お話を聞いていて、プレーに加えて、自分の特徴を出すのもすごくいいことだなと改めて思いました。一つ、僕から質問していいですか。

オカダ どうぞどうぞ。

小川 オカダさんの入場シーン、めちゃくちゃカッコイイじゃないですか。サッカーは11人がぞろぞろと出ていく感じなので、余計に印象的で(笑)。世界の中心のような感じで歩いていました。あのときはどんな気持ちなのですか。

オカダ 東京ドームで花道を歩いているときは、本当に気持ちいいですよ。心の中で「俺だけ、見ろ!」みたな感じでいますね(笑)。

小川 あれだけカッコイイとやっぱり、みんなの視線が行きますよね。

オカダ 僕の場合、タイトルマッチの時にお札も降ってくるんですけど、お札の方に視線が釘付けになっている人もたくさんいますけどね(笑)


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