上写真=64分、脇坂泰斗(右)のアシストから山根視来が左足できれいに蹴り込んで逆転(写真◎J.LEAGUE)
■2022年3月2日 J1リーグ第10節(等々力/14,696人)
川崎F 2-1 浦和
得点者:(川)家長昭博、山根視来
(浦)岩波拓也
「2-0で勝ってもおかしくない展開」とリカルド・ロドリゲス監督
川崎フロンターレが2分で一気に逆転だ。浦和レッズに0-1でリードを許した62分、脇坂泰斗の左CKをファーサイドで家長昭博がヘッドで押し込めば、2分後に脇坂がドリブルで中央を突き進み、右に流して山根視来が左足でゴール左に送り込んだ。鬼木達監督が「選手がプライドを持って戦ってくれました」と力を込めた逆転劇だ。
富士フイルムスーパーカップ2022で対戦したばかりの優勝候補の激突は、その名に恥じない攻撃のぶつけ合いと、それを食い止める守備のしのぎ合いで白熱した。
最初の大きな動きは26分。川崎Fの左サイドバック、登里享平が足を痛めて自らピッチに座り込んで交代することになった。このポジションに特性のある選手がベンチにいなかったから、塚川孝輝が代わって務めることになった。その塚川が江坂任を倒してファウルを与えた。
33分、このFKを馬渡和彰がニアに送り込むと、岩波拓也がヘッド、ボールはゴール右に吸い込まれた。序盤から明本考浩の強烈なミドルやCKから江坂が狙うチャンスを迎えていたから、さらに勢いを増す先制ゴール。このあともチャンスは多く作ったが、リカルド・ロドリゲス監督が悔やんだように「チャンスに決めていれば2-0で勝ってもおかしくない展開」だった。
川崎Fはハーフタイム、鬼木監督が押し込まれているのは「相手にやられているのではなくて、自分たちのミスだった」と選手たちを鼓舞して逆襲開始。それが、2分間のスピード逆転劇につながる。浦和の強烈なプレスが緩んできた頃合いを見計らって、じっくりと仕留めにかかると、前半にやられたセットプレーでお返しをしてから、脇坂の中央突破からのアシストでダメ押しした。
鬼木監督は試合が終わった瞬間、両手でガッツポーズしてから、さらに右拳を握りしめてもう一度ガッツポーズ。「一度負けた相手に負けたくない」と話していた負けん気を、監督も選手も出し切った。
現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE