上写真=脇坂泰斗が「14」を披露。しかし、本人は反省だらけの悔しいゲームに(写真◎小山真司)
■2022年2月12日 富士フイルムスーパーカップ2022(日産ス/18,558人)
浦和レッズ 2-0 川崎フロンターレ
得点者:(浦)江坂任2
(川)なし
「シュートも少なかったと思う」
完封負けは、2021年のJ1で2敗したうちの最初の黒星、8月25日にアビスパ福岡に0-1で敗れて以来のこと。それが2点差となると、2020年11月3日の北海道コンサドーレ札幌戦の0-2までさかのぼる。それほど、川崎フロンターレは崩れなかった。
2022年はシーズン最初のゲームで、浦和レッズにあっけなく0-2で敗れた。
新型コロナウイルス感染症で選手2名、スタッフ2名に陽性判定が出ていたことを、クラブは試合前日に発表している。試合への準備に想定外の困難も含まれたはずだ。そうだとしても、7分にあっけなく先制され、81分にはミスも重なってカウンターから失点し、攻め続けたが浦和に守られてしまった。
「シュートも少なかったと思う」と振り返るのは脇坂泰斗だ。今季から中村憲剛がつけていた背番号14を選んで引き継いで、これがその最初のゲーム。再びピッチで躍動する「14」に注目は集まった。
「シュートの回数を増やすことと、シュートにもっていくために相手をどう動かすか。強い動きをする人と止まる人、というところで、まだ映像を見られていませんが、シュートと強い動きが少なかったと思っています」
つまりは、正しい動きのメリハリがつながらなかったということだが、鬼木達監督も同様の指摘をしている。7分に先制した浦和が、後半は4-5-1の配置に変えてブロックを組み上げ、今度は81分に2-0とすると最終的には5-4-1へとシフトして守りきった。
スペースを消されたときに、どうかいくぐるのか。今季は多くのクラブがその傾向を強めてくるだろう。事前のレッスンになったとも言える。鬼木監督が見つけた課題は「ブロックを組んだところに対して、動かなければ動かしにいかなければいけないのですが、裏への動き出しが少なかった。アクションを起こして人を攻略したりスペースを作ることが改めて必要だと感じました」だった。
「個人的にも中盤でつぶされる回数も多くなって、相手のボランチやフォワードにセカンドボールを拾われる回数が多かったと思います。自分が守備で相手をつぶすこともあまりなくて、改善点しかなかったゲーム」
脇坂の良さがかき消されるような展開で、とにかく反省ばかりだった。
「14」のパワーをプレーで取り戻すには、ホームのピッチがふさわしい。等々力競技場で迎える開幕戦は「多摩川クラシコ」だ。FC東京を迎える「金J」で、本当のスタートを切るつもりだ。
取材◎平澤大輔 写真◎小山真司