川崎フロンターレのゴールを守って丸6年。チョン・ソンリョンが2022シーズンも堅陣を築いていく。J1では187試合に出場してきて、節目の200試合までもう少し。J1の3連覇とAFCチャンピオンズリーグの優勝を大目標に掲げるシーズンに、すべてをかける。

上写真=チョン・ソンリョンはオフに韓国に戻ってリフレッシュできたという(写真提供◎川崎フロンターレ)

「判断の速さが求められます」

 2022シーズンに向けた川崎フロンターレのキャンプで、いつもと違うことがいくつかある。例えば、ワールドカップ最終予選に臨んだ日本代表選手が一緒にトレーニングできないこと。川崎Fからは谷口彰悟と山根視来が選ばれていた。谷口はセンターバックとして中国戦、サウジアラビア戦と重要な2試合にフル出場して、連続完封勝利に貢献している。

「川崎でやっている通りの安定感でしたね」

 ともに守備の要として支え合う谷口について、GKチョン・ソンリョンはそう言ってうなずく。

「ビルドアップも安定していたし、代表の試合を見ていても、これが谷口だなと。川崎に帰ってきても同じようにやってくれるから、安心できますね」

 チームメートをまた別の角度から見ることで、信頼感を高めていた。

 オフには韓国に帰り、つかの間のリフレッシュ。「隔離期間でどう調整したらいいかはもう慣れた」とちょっと自虐的に笑ったが、「よく休めましたし、リフレッシュできました」と充実感を漂わせる。沖縄キャンプでもその分、体がよく動いているという。

 これまでと違っていることと言えば、もう一つ、菊池新吉GKコーチがチームを離れ、新たに高桑大二朗GKコーチが就任したことだ。現役時代から陽気なキャラクターだから、「もともと明るい雰囲気でしたけれど、さらに明るくなりました」とGKチームのムードが高まっていることを喜んでいる。

「でも、その中でも競争はあります。高桑コーチは選手みんなが力を出せるように、いい声かけをしてくれています」

 不動の守護神であるチョン・ソンリョンであっても、いつも一からのスタートだ。新しい環境の中で、心地よい戦いが始まっている。鬼木達監督がすべての選手に求めているのが「スピードアップ」。例えばパスも判断も、あらゆる種類のスピードを高めることが2022年の川崎Fのテーマになる。GKも同様だ。

「スピードアップというテーマの中で、キーパーの役割はいろいろあります。例えば、バックパスが来たときに短いパスなのか長いパスなのか、判断の速さが求められます。キーパーがビルドアップの中心になる必要はありませんが、その部分は意識したい」

 高桑コーチのトレーニングは、スピードを意識したものも多い。

「練習のスピードやテンポは早くなりましたね。ビルドアップについても多様な要求をされるので、コーチと選手で話しながら、歩み寄りながらやっています」

 川崎Fに来て、早いもので7年目に入っている。1年目からレギュラーとしてゴールを守り、J1での出場試合数は187だ。あと13試合でリーグ200試合という節目を迎える。ともに歩んできた菊池GKコーチの199を超え、外国籍のGKとしては、同じ韓国のキム・ジンヒョン(セレッソ大阪)がJ1の10年で出場した323試合を追いかけていく。

「目標はたくさんあるけれど、最後に笑ってタイトルを一つでも多く取りたいですね」

 J1の3連覇、悲願のAFCチャンピオンズリーグ優勝、もちろんルヴァンカップと天皇杯と、すべてのタイトルのために今年もゴールを守り抜く。


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