湘南ベルマーレが1月13日、新体制発表会見を開いた。クラブが強調したのが「マインドチェンジ」。残留争いに苦しんだこれまでから、勝ち点55の5位入りを目標に掲げるステップアップのために、大胆補強にも成功。山口智監督も「決意と覚悟を持っている」と力強く宣言した。

上写真=新加入選手、スタッフと山口智監督がそれぞれに熱く決意を語った(写真提供◎湘南ベルマーレ)

スローガンは「BELIEVE 新湘南へ」

 真壁潔代表取締役会長も、水谷尚人代表取締役社長も、坂本紘司スポーツダイレクター(SD)も、山口智監督も、そしてもちろん11人の新加入選手も、揃って強調したことがある。湘南ベルマーレは次のステップに進む、という強い意志だった。

 残留争いを繰り返してきたこれまでから、上位争いへ、そしてタイトル獲得への道筋をつくる。そのために、2022年は「大きな岐路になる」と水谷社長が宣言した。坂本SDはそのために必要なものを「マインドチェンジ」と表現している。

 その意欲が鮮明に表れたのが、2022年の陣容だ。昨季からの主力の多くが残留しただけではなく、MF米本拓司、MF永木亮太、FW瀬川祐輔とJ1で多くの経験を持つ選手を獲得できた。スイスのFCシオンに期限付き移籍していたFW若月大和を呼び戻し、先日の高校選手権得点王のFW鈴木章斗(阪南大高)など有望な若手選手も加わった。坂本SDも「満足」と評価する充実の編成になった。

 山口監督が掲げた目標は「5位」。そのためには「まず勝ち点55を狙おう」と選手に呼びかけている。

「練習初日に、覚悟を持ってやってほしいと選手には伝えました。いまの思いを2段階上げてくれと。私自身は5段階上げていきます」

 5位、勝ち点55、5段階と、奇しくも5にまつわる3つの目標が明かされた。

 その意味ではやはり、米本、永木、瀬川の3人衆の加入は心強い。昨季のカップウィナー、名古屋グランパスから加わった米本は「山口監督の下でもう一度うまくなりたい。泥臭く戦ってチームの目標を達成できるようにがんばります」、柏レイソルで攻守に走り回る姿が印象的だった瀬川は「ゴールやアシストの数字はあまり考えていないですけど、より多く絡めるように経験をしっかり出していきたい。キャリアで出してきた数字より上は狙いたい」と決意を明かす。

 そして、永木だ。アジア・チャンピオンも経験した鹿島アントラーズからの7シーズンぶりの復帰には、強い思いが宿る。

「昨年は出場時間が減って個人的にもがいた時間が長くて、鹿島でその悔しさをぶつけることも考えましたが、そのタイミングで声をかけてもらって、心が動きました。このチームでもう一回試合に出たいと思って決めました」

 プロキャリアを始めたクラブで、物語の続きを紡ぐ。背番号も特別指定選手時代にもらった41。

「鹿島ではタイトルを3つ獲得し、クラブワールドカップやACL(AFCチャンピオンズリーグ)で外国のチームを相手に戦ってきました。自分より年上の選手たちのサッカーに取り組む姿勢や試合への勝ち方を学びました。それを若い選手たちに伝えていければと思っています」

 永木が、米本が、瀬川が持ち込む勝者のメンタリティーを号砲に、湘南は上昇のビッグウェーブをとらえる。

■湘南2022シーズンメンバーリスト

ポジションNo.氏名
GK1谷 晃生
GK21堀田大暉
GK23富居大樹
GK31立川小太郎
DF2杉岡大暉
DF3石原広教
DF4舘 幸希
DF6岡本拓也
DF8大野和成
DF16山本脩斗
DF20蓑田広大 ☆
DF22大岩一貴
DF24福島隼斗
DF26畑 大雅
DF32松村晟怜 ☆
DF33石井大生 ☆
MF5古林将太
MF7田中 聡
MF10山田直輝
MF14茨田陽生
MF15米本拓司 ☆
MF27池田昌生
MF28平岡大陽
MF30鈴木淳之介 ☆
MF34原 直生 ☆
MF41永木亮太 ☆
MF42高橋 諒
FW9ウェリントン
FW11タリク
FW13瀬川祐輔 ☆
FW17大橋祐紀
FW18町野修斗
FW19根本 凌 ☆
FW25若月大和 ☆
FW29鈴木章斗 ☆
☆は新加入

監督/山口 智
コーチ/高橋健二、白石通史、八津川義廣、古賀正紘
フィジカルコーチ/髙橋一隆
コンディショニングコーチ/井口雄太
GKコーチ/植村 慶
理学療法士/島田周輔、清水重幸
アスレティックトレーナー/小嶋久義、栗原信英、吉川貴博
通訳/比嘉チアゴ(ポルトガル語)、副田大雅(英語)
主務/高田政敬
副務/荒木宏斗、朴 清佑


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