12月12日に天皇杯準決勝が行なわれ、埼玉スタジアムでは浦和レッズとセレッソ大阪が対戦した。3万人を超える観客が見守る中、序盤から激しい攻防が繰り広げられたが、浦和が宇賀神友弥のゴールで先制。試合終了直前に小泉佳穂が加点し、2-0でC大阪を下し、3年ぶりに決勝進出を決めた。

上写真=先制ゴールを決めた宇賀神を仲間が祝福(写真◎Getty Images)

■2021年12月12日 天皇杯準決勝(@埼スタ/観衆30,933人)
浦和 2-0 C大阪
得点者:(浦)宇賀神友弥、小泉佳穂

・浦和メンバー:GK西川周作、DF酒井宏樹、岩波拓也、アレクサンダー・ショルツ、宇賀神友弥(61分:汰木康也)、MF柴戸海、伊藤敦樹(73分:平野佑一)、関根貴大、江坂任(87分:槙野智章)明本考浩(87分:西大伍)、FWキャスパー・ユンカー(73分:小泉佳穂)

・C大阪メンバー:GKキム・ジンヒョン、DF松田陸、西尾隆矢、瀬古歩夢、丸橋祐介、MF喜田陽(81分:藤田直之)、奥埜博亮(90分:松田力)、坂元達裕、清武弘嗣、為田大貴(64分:山田寛人)、FW大久保嘉人(64分:加藤陸次樹)

ピッチで違いをつくれていた(R・ロドリゲス監督)

 先制したのは浦和だ。前半立ち上がりから相手のボランチの背後、CBの裏を果敢に突いて、サイド攻撃も展開。効果的なプレーの連続で相手を押し込むと、28分にチャンスをモノにした。右サイド深く進入した関根のクロスは流れてしまったものの、明本が収めて攻め上がっていた宇賀神にパスを出す。今季限りで浦和を退団する左サイドバックは、迷わず右足を振り抜き、ゴール右に叩き込んだ。
 18年に浦和が仙台を1-0で破り、天皇杯を制した際に決勝戦でボレーを叩き込んだのが宇賀神だった。まるで再現となるような重要なゴールは「タイトルを獲って愛するクラブを去りたい」と話す宇賀神の思いがこもった一発だった。

 前半を1-0のまま折り返した浦和は後半、C大阪に攻め込まれる場面があったものの、間に立ってパスをつなぎ、何度も敵のゴールに迫っていった。フィニッシュ精度に課題は残るものの、組み立て面は大きく進化していると感じさせた。

 試合終盤までスコアは動かなかったが、残り1分となったところで途中出場の小泉が敵陣を切り裂いた。左サイドでパスを受けると、対峙する松田陸をまた抜きでかわし、ボックス内に進入。カバーに来た西尾もかわして右足を一閃。GKキム・ジンヒョンも反応できない鋭いシュートを決め、試合を決定づけた。

 C大阪に流れを渡すことなく最後まで戦い抜いた浦和は、攻守に安定した内容を披露。3年ぶりの決勝進出を果たした。

「簡単な試合にはならなかったです。攻撃もディフェンスも自分たちは両方できましたが、これだけ難しい展開になりました。ゴール近くまで行けてもチャンスをつくれず、相手の堅さの前でなかなかこじ開けられなかった。その中で貴重な1点目を取ることができました。後半は相手にいくつかチャンスをつくられましたが、守備陣、全選手が体を張って守ってくれたので失点はしませんでした。スタートで入った選手も、途中からの選手もうまくつなぎながら試合を展開していって、それぞれがやるべきこと、ピッチの中で違いをつくれていた。全体的に見ると、すごく良かった試合かと言われればそうではないですけど、やるべきことはしっかりできた試合でした」

 浦和のリカルド・ロドリゲス監督はしっかり試合をモノした選手を称え、チームを後押しした観衆にも感謝を述べた。敵将・小菊昭雄監督も話した通り、浦和は状況に応じて立ち位置を変えながらパスをつなぎ、スムーズなビルドアップで主導権を握り、試合をコントロールしていた。2-0は妥当な結果だろう。この試合が現役最後のゲームとなったC大阪の大久保も「何もできなかった」と完敗を認めた。

 優勝すれば、ACL出場権を得られることを踏まえ「浦和レッズの名前を示したい」ともR・ロドリゲス監督は強調。19日の決勝で大分を下し、来季、アジアの舞台で戦うことを誓った。


This article is a sponsored article by
''.