上写真=最終節、レアンドロ・ダミアンと前田大然がキングの座を争って激突!(写真◎Getty Images)
右足のダミアン、バランスの良い前田大然
川崎フロンターレのレアンドロ・ダミアンと横浜F・マリノスの前田大然。優勝チームと2位チームのエースがともにリーグトップの22ゴールを挙げている。得点王を争う2人が最終節で直接対決するというドラマが待っている。
前節は、前田が21ゴールで1点リードして迎えた。ともに14時3分キックオフのゲームで、レアンドロ・ダミアンがガンバ大阪に対して開始7分に先制ゴールを挙げてまず通算21ゴールとして並べば、ヴィッセル神戸と戦った前田も23分に先制して通算22ゴールに伸ばして突き放す。だが、レアンドロ・ダミアンは85分に再び決めて、またも追いつく展開だった。
レアンドロ・ダミアンは通算で2203分に出場、前田は2721分出場で決めているから、効率で言えばややレアンドロ・ダミアンの方が上か。シーズンを通した得点の経過を見ていくと、同じような展開をたどっている。
川崎FがAFCチャンピオンズリーグを戦いながらの変則日程だったから単純に比較できないが、レアンドロ・ダミアンは2〜3月の序盤で出場した6試合で6得点としてスタートダッシュ、4月は6試合で3得点、5〜7月は9試合3得点、8月は5試合2得点とペースは落ちたものの、9〜10月の4試合で3得点、11月の4試合で5得点と積み重ねた。
前田も同様に序盤から飛ばし、2〜3月は5試合で6得点。4月が5試合2得点、5〜7月が9試合2得点とやや落ち着いたものの、東京オリンピックに出場して帰ってきてから一気にゴールラッシュ。8月が大分トリニータ戦でハットトリックなど6試合4ゴール、9月、10月がそれぞれ3試合2得点で、11月がFC東京戦でハットトリックを含めて4試合4得点だ。
得点の内訳に目を移すと、レアンドロ・ダミアンは右足で決めたのは15点で、これはリーグトップの数字。ヘディングが4、左足が3だから、その右足の破壊力が際立つ。リーグ3位の8アシストをマークしているところにも、チャンスに絡み続けるプレースタイルが表れている。
前田は逆にバランスがいい。ヘディングで決めた6ゴールはリーグトップで、右足10は2位、左足6は4位と、どこからでも決めることができる力を数字が示している。一方でアシストは3と少なめで、俊足を生かしたパスの受け手としての役割が影響しているかもしれない。
どちらのチームも攻撃的なスタイルを全面に押し出すのが大きな魅力。最終節の日産スタジアムは、優勝チームと2位チームの攻め合いという意味でも、得点王の最終決定戦という意味でも、熱い戦いが楽しめそうだ。