上写真=優勝セレモニーで脇坂泰斗が田中碧のユニフォームを着て話題に。「碧のユニフォームはピチピチでした」と笑う(写真◎J.LEAGUE)
「サッカーは一人でやるものではない」
川崎フロンターレは11月3日の浦和レッズ戦でJ1連覇を決めると、その次の試合でサガン鳥栖に敗れてしまった。優勝直後だから仕方ない、と言われないためにも、「王者」として厳しく臨んだが、前半だけで3点を失って1-3だった。
当然だが、脇坂泰斗は自分たちに納得がいかない。2週間のブレイクを利用して、攻撃面のブラッシュアップに取り組んだという。
「勝つところも大事ですけれど、圧倒して勝つことができていません。攻撃で圧倒して得点を重ねることが大事で、攻撃のところで違いを出せるように時間を割いて取り組みました」
確かにここ4試合は続けて1ゴールずつ。改善のポイントはどこだったのか。言及したのは、2つだった。
「ボールを握るのを怖がらないこと。鳥栖戦はそれができていなかったので、相手がタイトに来ても怖がらずにしないと」
どんなに素早く強いプレッシャーが来ても、技術と判断でいなしていくのが川崎Fの自慢だった。だが、鳥栖のプレスの強度はJ1でもトップクラス。相手の良さに押されてしまったという反省がある。
もう一つは、みんなでプレーするということ。
「サッカーは一人でやるものではないので、仲間が関わりながら合わせますし、立ち位置を整理できたところもあります。プラスアルファで、押し込んだら強い動きをしたり、相手の動きを利用して止まる選手が出てきたりと使い分けながらやっていきたい」
ゴールへ迫るアクションは連動させなければならない、という、これも川崎Fのスタイルの基本を研ぎ澄ませたということだろう。
「圧倒する意味では点差が必要ですし、得点数は足りないかな。自分は得点を(仲間に)取らせるところと(自分で)取るところを意識してトレーニングしました」
最後の仕上げの微調整だ。そのために「ラストパスのところとシュートのところにこだわって取り組みました」とテーマを明かした。
「(試合では)動きながらのシュートが多いので、その部分の精度は意識しました。あとは左右ですね。より怖い位置でシュートを打って脅威になれば、引きつけられるディフェンダーがいますし、そのきっかけのためにもシュートを打つことは大事だと思います」
決めるため、決めさせるため。トレーニングの成果は次のセレッソ大阪戦で、たっぷりと見せつけるつもりだ。