明治安田生命Jリーグで、月ごとに最も優れたゴールを表彰する「月間ベストゴール」。J1リーグの10月度受賞者は、北海道コンサドーレ札幌の高嶺朋樹だった。ワントラップから左足を振り抜き、無回転シュートでニアサイドを打ち抜いたガンバ大阪戦(第31節/10月2日)でのミドルシュート(40分)の秘密を、受賞の喜びとともに本人が明かす。

札幌はタイトルを取れるチーム

画像: その正確なキックは札幌の大きな武器になっている(写真◎J.LEAGUE)

その正確なキックは札幌の大きな武器になっている(写真◎J.LEAGUE)

――プロ2年目の今季、どんなことを意識してシーズンを戦ってきましたか。

高嶺 昨年末、東京五輪につながるU-23日本代表候補のキャンプに参加したので、それも視野に入れつつ、自分の得点やアシストで札幌をACL(AFCチャンピオンズリーグ)圏内や、タイトル争いに連れていくことを意識していました。それは達成できていませんが、積極的な姿勢、ボールを奪う際の行き方など、昨季よりも考えながらプレーできるようになったと思います。ただ、もっと得点やアシストが必要ですね。

――3バックの中央や左でプレーすることもあります。

高嶺 最終ラインでプレーすることによって、クロスへの対応や試合の進め方、クリアの方向など、ボランチのときは意識していなかったことを考えるようになりました。自分のプラスになっていると思いますが、その上で、ボランチで勝負したいと思っています。

――ペトロヴィッチ監督から練習で、どんなことを言われていますか。

高嶺 最近は特に、自分がボールを持ったときに同サイドはもちろん、逆サイドにフリーの選手がいたら「見えていたか」と口酸っぱく言われます。できることが多くなっている手応えがあるのですが、それによってミシャさんが自分に求めることも増えました。サイドチェンジやプレーの強度、ラストパス、シュートなど、いろいろなことを求められて、要求も厳しくなっています。

――先ほど話されたように、札幌を上位に導くためには、高嶺選手や同期の田中駿汰選手、金子拓郎選手、今季1年目の小柏剛選手など、20歳代前半の選手が引っ張らなければいけないという意識があるのではないですか。

高嶺 昨季加入した時点でルーキーだという意識は全くなくて、1年目から自分たちが引っ張っていこうと思っていましたが、2年目になって、その意識が強くなりました。いまの札幌は、どんな上位クラブと戦っても負けているという感覚はないくらい成長しています。川崎フロンターレや横浜F・マリノスを相手にしても、五分以上の戦いができている。勝者のメンタリティーを身につけていくことができれば、もっと上位で、タイトル争いができるようになると思っています。

――チームが成長するために最も必要なのは、その勝者のメンタリティーでしょうか。

高嶺 勝者のメンタリティーや、試合の進め方が重要だと思います。川崎フロンターレや横浜F・マリノスは、調子が悪くても勝ちにもっていったり、引き分けにする力があります。そこが自分たちには、まだ足りません。今季は80分以降に逆転されたり、最後の最後で追い付かれた試合が多かった。試合への入り方も含めて、そこが上位のクラブとの差だと考えています。

――札幌を上位に導くために、自分のプレーで必要なことは何だと思いますか。

高嶺 ボランチでも最終ラインでも、プレーエリアは真ん中です。チームを声で引っ張ることや、チームがどういう方向で試合を進めていくのかを決めるのが、真ん中の選手の役割なので、もっと高めていく必要があると思っています。

――筑波大で同期だった三笘薫選手は東京五輪に出場。今季途中に川崎フロンターレから海外に活躍の場を移し、先日は日本代表に初選出されました。

高嶺 いまでも連絡を取り合っていて、ベルギーの話も聞いています。大学時代から一歩先を行く存在として刺激を与えてくれて、それによって自分も頑張ってくることができました。いまも変わらず刺激を受けています。

――高嶺選手も同じ舞台に立ちたいですね。

高嶺 はい。自分も日本を代表して戦いたいと思っています。そのためには、もっとやらなければいけないことがある。毎日、自分自身をアップデートして、1年目、2年目、3年目と活躍のレベルを上げていかないと、日本代表も、海外クラブでのプレーも見えてきません。もちろん数字を残さなければいけないので、3年目の来季は、得点とアシストの合計で2ケタを絶対に達成したいです。

――その先に見据えるのは、もちろんタイトルですね。

高嶺 そうです。札幌はタイトルを取れるチームだと、プレーしている自分たちが一番感じています。タイトルを取りたいです。…いや、取ります!

――札幌のファン・サポーターの存在は高嶺選手にとって、どんなものですか。

高嶺 以前にも話したのですが、昨季アウェーで川崎フロンターレに勝った試合では、ファン・サポーターの皆さんの存在がすごく大きかったです。試合後に皆さんにあいさつしたとき、勝つと信じて応援しているという目をしてくれていました。一緒に戦ってくれる仲間であり、勇気をもらえます。自分たちにとって、すごく大きな存在です。

――最後に、そのファン・サポーターの皆さんへメッセージをお願いします。

高嶺 まずは今季の残り3試合に勝ち、皆さんに喜びを与えられるように頑張っていきたいです。さらに来季は、優勝に向けて開幕からフルスロットルで戦っていくので、応援よろしくお願いします。ゴールとアシストで必ず2ケタを達成するので、期待してください!

取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE

※本文中の数字などはすべて11月12日時点


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