上写真=瀬古歩夢はプロ初のタイトル獲得に燃えている(写真◎J.LEAGUE)
「今度は自分がやらないといけない」
昨年はこのルヴァンカップでニューヒーロー賞を獲得し、今年は決勝へ進出。セレッソ大阪の若きセンターバック、瀬古歩夢はこの大会と相性がいいようだ。プロ初のタイトルを目の前にして、静かにたかぶっている。
「昨年は光栄な賞をもらって、このルヴァンカップで成長できましたし、感謝しかないので優勝したい気持ちがあります。今年、その舞台に立てるので、結果で示すことができればいいと思っています」
昨季の活躍で賞を得て自信をつけて、今年は東京オリンピックのメンバーにも選ばれた。長足の進歩を遂げ、ついにルヴァンカップファイナルの場へ。
「セレッソでずっとやってきたので、セレッソでタイトルを取りたいと思ってきました。チャンスが目前にあるのでやりきるだけだと思っています」
10月27日に天皇杯準々決勝で、そして30日のルヴァンカップ決勝で、どちらも名古屋グランパスと戦う珍しい連戦。ただ、小菊昭雄監督は天皇杯ではこれまで出番の少ない選手を主に起用した。そのため、瀬古は出場していないが、そこで3-0で快勝するのだから、いかにこの集団が充実しているかが分かる。そのパワーはチームの隅々まで充満している。
「普段出ていないメンバーが出て、ああいう結果を残してくれて非常に刺激を受けました。今度は自分がやらないといけないと思わせる試合をしてくれたので、それを明日、表現できればと思っています」
その名古屋は堅守速攻の最先端を行く。シュヴィルツォク、前田直輝、相馬勇紀、金崎夢生、山崎凌吾、ガブリエル・シャビエル、マテウス、森下龍矢、齋藤学…。多士済々の攻撃陣が華やかだ。センターバックとしては腕が鳴る。
「前線に強烈な素晴らしいフォワードたちがいるので、そこを押さえれば勝ちはあると思います」
そして、柿谷曜一朗だ。昨季までC大阪でともに戦ってきた先輩。
「前を向かせると怖い選手ですし、自分たちが考えられないようなプレーしてきます。ボールを入れさせないように意識したいですし、ボールが入っても自分がつぶせるように遠慮せずやってきたい」
柿谷も「大きくなった歩夢と戦えるのはうれしい。楽しみで仕方がない」と受けて立つ。
瀬古にとっては相手に不足はない。尊敬する先輩をしっかり止めて、誇らしげに頭上に高々とカップを掲げるだけだ。