10月24日に清水エスパルスを下し、明治安田生命J1リーグの連覇へ王手とした川崎フロンターレ。中2日で戦うのは、鹿島アントラーズとの天皇杯準々決勝だ。リーグとのW連覇を狙うが、鹿島もAFCチャンピオンズリーグ出場権を手にできる優勝をもぎ取ろうと必死だ。だが、守備を整える山村和也が立ちはだかるのだ。

上写真=天皇杯準々決勝の相手は鹿島。山村和也はリーグ戦の前回対戦で投入直後にゴールを決めた。その再現を!(写真◎J.LEAGUE)

「リスクマネジメントをしっかり」

 10月24日のJ1第33節清水エスパルス戦で山村和也は89分にピッチに入ると、橘田健人の横でボランチとして守備を固め、試合を締める役割を全うした。1-0とわずか1点のリードで逃げ切る難しさは、周りの選手がプレーしやすいように戦うという意識で乗り切った。この日が復帰戦になった大島僚太の「ヤマくんが的確にはね返してくれた」の一言は最高の褒め言葉だろう。チームが一つになるというのは、こういうことだ。

「今年は最初のころはケガで貢献できなかったけれど、治ってからは少しずつ貢献できるようになってきました。これを継続していきたい」

 山村自身は言葉少なだが、その職人的な守備のセンスと空中戦の強さは、清水の最後のパワーをはね返すのに大きな力になった。

 中2日で迎えるのは、天皇杯準々決勝。ホームの等々力で戦える利点はあるが、相手は鹿島アントラーズだ。山村にとっては古巣。直近の対戦となったJ1第32節では82分にピッチに入ってそのままゴール前に上がり、脇坂泰斗のFKをヘッドで流し込む同点ゴールを挙げている。攻撃力にも定評があるだけに、ファン・サポーターからは守備だけではなく歓喜の再現にも期待が集まる。

 その鹿島はJ1第33節でFC東京と戦い、素早く前線にボールを送り込むスタイルで2-1の勝利をもぎ取っている。天皇杯で川崎Fを相手に同じ戦い方を採用してくるかはわからないが、「攻める守備職人」としては攻撃側も守備側も狙いはわかるから警戒を怠らない。

「フォワードとの競り合い、そのあとのセカンドボールが大事になると思うので、基本的なところで、一人が競ったら周りがカバーに入る、そして競り負けないことを意識して、リスクマネジメントをしっかりした状態で入っていきたい」

 鹿島ではFW上田綺世が好調だ。ここ8試合のうち6試合で計7ゴール。FC東京戦でもしっかり決めている。

「能力のある選手ですし、起点になるポジションの選手だと思います。そこを自由にさせないことが一番大事だと思っています」

 勢いのある若手を、百戦錬磨のベテランがあしらう。そんな姿が等々力陸上競技場のピッチで見られれば、準決勝進出の道は開く。


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