10月24日の明治安田生命J1リーグ第33節で、名古屋グランパスが豊田スタジアムにヴィッセル神戸を迎えた。3位を争うライバルの激突は、名古屋が早々に2点を先行するが、神戸が追いつく緊迫の展開。両GKのスーパーセーブも見られ、結局2-2のドローに終わった。

上写真=稲垣祥と武藤嘉紀の争い。3位を争うライバル同士のバトルは最後まで目が離せなかった(写真◎J.LEAGUE)

■2021年10月24日 明治安田生命J1リーグ第33節(@豊田ス/観衆19,257人)
名古屋 2-2 神戸
得点者:(名)前田直輝、シュヴィルツォク
    (神)武藤嘉紀、アンドレス・イニエスタ

画像: ■2021年10月24日 明治安田生命J1リーグ第33節(@豊田ス/観衆19,257人) 名古屋 2-2 神戸 得点者:(名)前田直輝、シュヴィルツォク (神)武藤嘉紀、アンドレス・イニエスタ

「すべてが終わってから最終的にわかる」

 ホームの名古屋グランパスが2点を先行すれば、両GKがスーパーセーブを連発、アウェーのヴィッセル神戸がセットプレーから1点を返し、名古屋が5バックに切り替えながらも神戸がPKで追いつく。3位争いの直接対決は、最後まで目の離せない展開となり、結局、2-2のドローに終わった。

 金曜日に浦和レッズが柏レイソルを5-1という圧倒的なスコアで下し、土曜日に鹿島アントラーズがFC東京から2-1の勝利をもぎ取った。3位争いのライバルが勝ち点3を積み上げる中で、日曜日に激突した名古屋と神戸。神戸が勝ち点60で暫定3位、名古屋が57の5位という立ち位置でのキックオフだったが、試合はいきなり動いた。

 2分、3分に連続して決定機を作っていきなり押し込んだ名古屋が、その勢いのままに6分に先制する。ガブリエル・シャビエルが左サイドまで大きく飛ばすサイドチェンジのパス。受けた相馬勇紀が一気にドリブルで抜け出すと、ゴール前に横パスを届け、フリーで入り込んでいた前田直輝が左足でしっかりとゴールに送り込んだ。14分には神戸のセンターバック、菊池流帆が縦パスをミス、その菊池の背中側のスペースに稲垣祥がそのまま送り込み、シュヴィルツォクが持ち込んで左足でゴール右に突き刺した。

 名古屋があっけなく2点をリードした。だが、このままでは終わらなかった。

 神戸は低調な前半から修正をかける。ボージャン・クルキッチを後半から最前線に投入、ライン間で受ける作業を繰り返して主導権を握る時間を増やした。「うちは中央を崩すアイディアを持っていますが、名古屋さんは中央が堅い。だからまずはボランチを走らせて引き出してから、中央を開けるという修正をハーフタイムにしました」と三浦淳寛監督。その効果が徐々に表れると、54分にボージャン、56分にドウグラスがビッグチャンスを迎えた。これは名古屋のGKランゲラックのスーパーセーブに防がれたものの、勢いを得て59分に実を結ぶ。

 左からのCKを初瀬亮が中央へ、トーマス・フェルマーレンのヘディングシュートが縦に流れると、すり抜けた武藤嘉紀が落ち着いて押し込んで、追撃開始のゴールを生んだ。

 名古屋はこのあと、62分に森下龍矢と金崎夢生を同時投入。「後半から相手が状況を変えてきて、ボージャンとイニエスタを中心にスペースを使われていました。失点したからではなく、その前から準備はしていましたが、狙いとしてはそのスペースを埋めるためでした」とマッシモ・フィッカデンティ監督が説明したように、相手のリズムを食い止めようと布陣を5バックに変えてきた。

 64分には神戸が右からのイニエスタのクロスを中央で武藤がヘディングシュート、72分に名古屋は吉田豊が左サイドを抜けてセンタリングから柿谷曜一朗がスライディングシュートとビッグチャンスを迎えるが、飯倉大樹、ランゲラックの両GKがスーパーセーブでストップ、緊迫感がますます高まった。

 すると76分、武藤がペナルティーエリア右で鋭く突破を仕掛けたところで吉田がスライディング、VARチェックのあとの今村義朗主審のオンフィールドレビューによって、吉田のファウルがあったとしてPKが与えられた。これをイニエスタがゴール左上にきっちりと決めて、神戸がついに同点に追いついた。

 どちらも勝ち点3をもぎ取るために、このあともアディショナルタイム7分が終わるまで攻めの姿勢は崩さなかったが、2-2のまま終了。「この勝ち点1はとてつもなく大きい」と三浦監督が振り返れば、フィッカデンティ監督も「すべてが終わってから最終的にわかる」と、ともに残り5試合をあきらめずに戦うファイティングポーズを取り続けている。

写真◎J.LEAGUE


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