上写真=17日に行なわれるACL準々決勝、浦項戦の前日会見に出席したマッシモ・フィッカデンティ監督(写真◎2021AFC)
犠牲を払う価値があると肯定する
名古屋は明日17日に、ACL準々決勝で浦項(韓国)と対戦する。グループステージでも同組だった相手だが、2度の対戦は3-0(2節)、1-1(6節)の1勝1分けだった。1分けは名古屋がラウンド16進出を決めたあとの言わば『消化試合』だった。
ただ、指揮官は今季の対戦成績が準々決勝の結果を約束するわけではないことを知っている。前日会見に登壇したフィッカデンティ監督に油断や慢心は一切なかった。
「この段階までくると、この大会には強い、実力のあるチームしか残っていないという状況です。まず、そこに残っているということを誇りに思います。浦項とは実際に予選ラウンド(グループステージ)で戦いましたが、どちらの試合もお互いにやり合った、均衡の取れた良いゲームだったと思います。しっかりと準備をして、勝つために戦いたい」
リスクを管理しながら、攻めに転じればチームとして同じ絵を描いて相手ゴールを目指す。とくに2節で対戦した際には名古屋の持ち味が存分に発揮された。
「われわれは、はっきりとしたアイデンティーを持ったチームと言えると思います。前回の2度の対戦でも、われわれが大きくやり方を変えたわけではなく、その中で相手の特徴を頭に入れながらサッカーをしました。相手を十分にリスペクトし、今年3回目の対戦も同じような感覚で準備したいと思っています」
今回の対戦は韓国で行なわれる。名古屋にとってはアウェーとなり、不利とも思われるが、指揮官は「いま、サッカーを行なうために多くの犠牲があるのは分かっていること」と話し、「何よりも感謝を忘れずに、最善を尽くそうと思います。犠牲を払ってもやる価値があるものなんだと、自分たち自身で肯定できるようにやることをやる」と力を込めた。
「(準々決勝は)一発勝負になるので、まず間違えられない。2戦目でやり直しがきくということではないので、ミスは許されないという準備をする必要がある」
準々決勝を乗り越えれば、中2日で準決勝が待っている。しかも相手は全北現代と蔚山現代の勝者。つまりは韓国勢との連戦だが、「こういった状況の中で、目の前の試合にすべて集中できるのが何よりもわれわれの強さだと思っています。しっかり浦項に勝って、勝者として終わった瞬間に、その次の試合もまたできるということで、その試合に頭を使っていきたい。まずはこの試合のために100パーセントを使いたい」と一戦必勝で戦うことを強調した。
環境面や日程の厳しさを受け入れて、ただアジアの頂点を目指すのみ。フィッカデンティ監督は唯一、勝ち残っている日本のチームとしての誇りも胸に勝利をつかみにいく。