9月の7試合で6勝1分け。好調を続ける名古屋グランパスが、重要な10月に臨む。ケガの癒えた柿谷曜一朗は、J1通算50ゴールの節目まであと1得点に迫っている。たっぷりの充実感で心身ともに高ぶる背番号8の、10月の大活躍が楽しみだ。

上写真=柿谷曜一朗は自身の今季の成績を「物足りない」とするが、攻撃に最高のアクセントを加えている(写真◎J.LEAGUE)

「周りの人も物足りないと思っているだろう」

 29試合2得点。名古屋グランパスに移籍して1年目、柿谷曜一朗が今季9月までに残したJ1でのスタッツである。「結果として何も残せていない」が柿谷自身の分析だ。

 続けて「貢献できていない」と反省を口にするが、本当にそうだというわけではないだろう。J1で1977分の出場はフィールドプレーヤーで5番目に多いし、1トップに入ったりトップ下でプレーしたりと、戦術眼と類まれなテクニックで攻撃に数多くのオプションをもたらしてきた。

「結果が物足りなさすぎです。チームを勝たせるためにも、得点やアシストと目に見える数字を残さなければいけないので、物足りないです」

 自分の現在地をそう表現する。

「移籍1年目とか関係ないし、もう若くないですから結果を求められる立場です。周りの人も物足りないと思っているだろうから、それを引っくり返せるように1試合1試合頑張りたいです」

 名古屋の9月はJ1、ルヴァンカップ、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)で7試合も戦って、6勝1分けの負けなしだ。柿谷はケガの影響もあって4試合の出場だったが、すべての大会でクライマックスへと向かっていく勝負の10月に、心身ともに高まってきた。

「ゲームをたくさんできる幸せな気持ちがあります。移籍してきて1年目からこんな濃い1年を過ごせると思っていなかったというか、もちろん結果を求めて来て、1年目からすべての大会で勝ち残ることを目指していましたけど、結果としてまだすべての大会に残っていることは充実感でしかないです」

 激しく3位の座を争うJ1は残り7試合で、10月にはルヴァンカップでFC東京と戦う準決勝が待っていて、天皇杯ではセレッソ大阪と準々決勝を戦い、そして、日本勢として唯一、勝ち残っているACLで、いよいよ韓国の浦項とベスト4進出を争う。

「最後は気持ちと言われますけど、何よりも自分たちが用意してきたことを冷静に出せるかどうかです。熱くなるのは当然だけど、タイトルを意識しないわけにいかないところで普段通り臨めるかどうかが重要だと思います」

 柿谷個人としては、J1で次に得点を挙げれば節目の50ゴール目になる。さっそく10月3日のサンフレッチェ広島戦で決めて、最高の10月のスタートにしたい。


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