上写真=FC東京戦での勝利を誓った名古屋のマッシモ・フィッカデンティ監督(写真◎J.LEAGUE)
長友はすごく怖い対戦相手
6戦負けなしでチームは好調だが、マッシモ監督には一切浮かれるところがなかった。そして「(勝敗が)どっちに転ぶか分からないものが今は良い方に動いていると全員が理解している」と選手も冷静に現状を受け止め、戦っていると話した。タイトな日程の中で、チームとしてやることを共有し、迷いなく遂行できていることも大きいという。つまりは一丸となって戦えているということだろう。
名古屋は現在ACL出場圏内の3位につけているが、1試合消化が少ない4位神戸とは勝ち点2ポイント差、消化試合数が同じ5位鳥栖、6位浦和とも同じ2ポイント差だ。1試合でもつまずけば簡単に順位がひっくり返る、そんな熾烈な戦いを続けている。
明日22日にはアウェーでFC東京と対戦。8位のFC東京とは8ポイントの差があるものの、相手はACL出場権獲得を目指しており、難しい戦いになるのは必至だ。過去の対戦を振り返っても、激しい球際争いが繰り広げられるインテンシティーの高い試合が多かった。今回もそうした攻防となりそうだが、指揮官は「今このタイミングで東京に勝つことでリーグ戦の楽しみが残りますし、ファミリーの皆さんのためにもそういう展開を見せられるようにしたい」とFC東京戦がただの1試合でないことを強調した。
また、マッシモ監督自身の古巣でもあるFC東京に長友佑都が復帰したことにも言及。長友が最初に移籍したチェゼーナ(イタリア)を率いていた当時を振り返り、「2010年に彼が(チェゼーナに)加わったとき、私は十分にイタリアでプレーできる選手だと思ったうえで来てもらいました。周囲には『なぜ獲得したのか』と疑念もありましたが、その後の彼のキャリアを見れば分かるはずです。素晴らしいプレーを披露し、当時ヨーロッパではまだまだ無名だった日本人サイドバックを獲得することがチェゼーナにとって正しい選択だったと証明してくれました」とコメント。さらに、「今まで海外でプレーした日本人選手の中で、一番の経歴を持つ選手がFC東京に加わるのは、彼の持っている世界に通用するクオリティーと経験をもたらすという点から大きいでしょう」とその効果を認め、「対戦相手として、すごく怖い感覚があります」と警戒した。
大きく育った教え子と再会する一戦となるが、マッシモ監督は「チーム全体として持ち味が出ないようにしっかり消す対策をして臨みたい」と話し、個人ではなく、相手チーム全体に対処していくと語った。FC東京については「うまくはまれば、トップを狙える戦力と内容がある」相手であり、「毎回、手強い相手とやると位置づけて準備する」とリスペクトの念を持つ。そのうえで、最大限の自分たちの力をぶつけていくつもりだ。
6戦無敗にも慢心せず、過信せず、最良の準備をして、最高の結果をつかみに行く。マッシモ監督が望むのは勝ち点3を持ち帰ることだけだ。